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高校2~高校3年生 (16-18歳)

地学 大気の熱力学 わかりやすく

Atmospheric Thermodynamics

空気のかたまりが上昇すると、まわりの気圧が下がって体積がふくらみ、外と熱をやりとりしなくても自然に冷えます。これを断熱冷却といいます。 水蒸気が凝結しないあいだは 1 km ごとに約 10 °C ずつ冷えますが、露点に達して雲ができはじめると凝結熱が出て、1 km に約 5 °C ずつしか冷えなくなります。 空気のかたまりがまわりの空気より速く冷えるかおそく冷えるかで大気が安定か不安定かが決まり、山をこえた空気が下りながら暖まるフェーン現象も同じしくみです。 最初の図で地表の気温を変えると雲底の高さが、二つめの図でまわりの気温減率を変えると大気の安定度がどう変わるかを見ることができます。

山を登るとなぜ寒くなるのか

💡 断熱変化
①地表の空気のかたまりが山に沿って上昇すると、高いところほどまわりの気圧が低くなる
②おされる力が弱まった空気のかたまりはふくらみ、このとき自分のエネルギーを使って外の空気をおしのけるので温度が下がる
③外と熱をやりとりせずに体積が変わって温度が変化することを断熱変化という
④逆に空気のかたまりが下降すると、圧縮されて温度が上がる(断熱圧縮)

雲はどこでできるのか

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☁️ 雲ができる過程
①空気のかたまりが上昇すると気圧が下がってふくらみ、温度が下がる
②水蒸気が凝結する前は乾燥断熱減率、つまり 1 km に約 10 °C ずつ冷える
③このとき露点も 1 km に約 2 °C ずつ下がるので、気温と露点は 1 km に 8 °C ずつ近づく
④二つが等しくなる高さで凝結が始まって雲底になり、その高さは約 125 ×(地表の気温 − 地表の露点)m である
⑤その上では凝結熱が出て、湿潤断熱減率、つまり 1 km に約 5 °C ずつしか冷えない

大気の安定度

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25
絶対不安定
Γ環境 > Γ乾燥(約 10 °C/km)
上昇した空気のかたまりがまわりより暖かく、上昇しつづけるので対流がさかんになる
絶対安定
Γ環境 < Γ湿潤(約 5 °C/km)
上昇した空気のかたまりがまわりより冷たく、下へもどろうとするので対流がおさえられる
📐 安定度と雲
①不安定な大気では空気がどんどんわき上がって積雲状の雲(積雲、積乱雲)が発達し、にわか雨や雷雨になる
②安定した大気では空気が上にのぼりにくく、層状の雲や霧ができる
③環境の気温減率が湿潤断熱減率と乾燥断熱減率のあいだなら条件付き不安定である。飽和していない空気には安定だが、飽和した空気には不安定になる
④そのため天気予報では、大気の気温減率と湿度をあわせて調べ、にわか雨や雷雨が起こるかを判断する

フェーン現象

🏔️ 山をこえると暑く乾いた風になる
①風上側で地表の気温 20 °C の空気が山をのぼると、1 km ごとに 10 °C ずつ冷え、1 km の高さで露点に達して雲ができる(10 °C)
②その上は湿潤断熱減率で冷えて、2 km の山頂で 5 °C になり、そのあいだに雨を降らせて水蒸気を失う
③山をこえて下りる空気は乾いているので、2 km を下りるあいだに 1 km ごとに 10 °C ずつ暖まって 25 °C になる
④そのため山の反対側では、はじめより 5 °C 暑く乾いた風が吹く。朝鮮半島で晩春から初夏に山脈の西側へ吹くノプセ風がよく知られた例である

例題と過去問で確認

例題 1
飽和していない空気のかたまりが 2 km 上昇すると、気温は約何 °C 下がるか。(乾燥断熱減率は約 10 °C/km)
1
温度の変化 = 断熱減率 × 上昇した高さである。
2
10 °C/km × 2 km = 20 °C なので、約 20 °C 下がる。
▸ 約 20 °C 下がる
途中で凝結が始まると、その上では 1 km に約 5 °C ずつしか冷えない。最初の図で地表 25 °C の空気は 1.5 km までに 15 °C 冷え、その上の 0.5 km では 2.5 °C だけ冷えて、2 km で 7.5 °C になる。
例題 2
まわりの大気の気温減率(環境の気温減率)が 12 °C/km である。乾燥断熱減率が 10 °C/km のとき、この大気は飽和していない空気に対して安定か、不安定か。
1
空気のかたまりは 1 km 上昇すると 10 °C 冷えるが、その高さのまわりの空気は地表より 12 °C 低いので、空気のかたまりのほうが 2 °C 暖かい。
2
まわりより暖かい空気のかたまりは軽く、上昇しつづけるので、この大気は不安定で対流がさかんになり、積雲状の雲が発達する。
▸ 不安定(環境 12 °C/km > 乾燥 10 °C/km)
二つめの図で環境の気温減率を 12 にすると、1 km 上の空気のかたまりがまわりより暖かいと表示される。環境の気温減率が大きいほど大気は不安定である。
韓国修能 類題
大気の断熱変化と安定度についての説明として正しいものはどれか。
①乾燥断熱減率は湿潤断熱減率より小さい
②空気が上昇すると断熱膨張して温度が下がる
③環境の気温減率が断熱減率より小さいと大気は不安定である
④水蒸気が凝結するときは潜熱を吸収する
⑤安定した大気では積雲状の雲がよく発達する
▸ ② 空気が上昇すると断熱膨張して温度が下がる
1
上昇する空気はまわりの気圧が下がってふくらみ、外と熱をやりとりせずに自然に冷える(断熱冷却)。
2
乾燥断熱減率(約 10 °C/km)は湿潤断熱減率(約 5 °C/km)より大きく(①)、環境の気温減率が小さいほど大気は安定で(③)、水蒸気が凝結するときは潜熱を放出し(④)、積雲状の雲は不安定な大気で発達する(⑤)。

まとめ

要点の数値
乾燥断熱減率 ≈ 10 °C/km | 湿潤断熱減率 ≈ 5 °C/km | 露点の減率 ≈ 2 °C/km
水蒸気が凝結するかどうかで冷え方の速さがちがい、雲底の高さは 125 ×(T − Td)m で見積もれる
🎯 試験ポイント
①乾燥断熱減率は約 10 °C/km、湿潤断熱減率は約 5 °C/km である
②環境の気温減率が乾燥断熱減率より大きければ絶対不安定、湿潤断熱減率より小さければ絶対安定である
③環境の気温減率が二つの断熱減率のあいだなら条件付き不安定である
④持ち上げ凝結高度(雲底)は約 125 ×(地表の気温 − 地表の露点)m である
⑤不安定な大気では積雲状の雲とにわか雨、安定した大気では層状の雲や霧ができやすい

最終更新

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