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高校1~高校2年生 (15-17歳)

化学基礎 分子の構造 わかりやすく

Molecular Structure (VSEPR)

分子の形は、中心原子のまわりの電子対どうしが反発し合い、できるだけ離れようとする性質で決まります。これを電子対反発則(VSEPR)といいます。 中心原子に結合した原子の数と非共有電子対の数によって、直線形、平面三角形、正四面体形、三角錐形、折れ線形といった形ができ、非共有電子対が多いほど結合角は狭くなります。 一つ一つの結合が極性をもっていても、形が対称なら極性が打ち消し合って無極性分子になるので、分子の極性は形がわからないと判断できません。 図で構造を切り替えると、例の分子の原子の並び、結合角、極性がいっしょに変わります。

分子はなぜ決まった形をもつのか

💡 風船をまとめて結ぶと
①風船を二つ結ぶと、互いに反対を向いて一直線(180°)になる
②三つ結ぶと、一つの平面の中で 120° ずつ開く
③四つ結ぶと、平面では場所が足りず立体的に開いて正四面体(109.5°)になる
④電子対も風船のように互いに押し合い、いちばん離れられる配置をとる。これが電子対反発則(VSEPR)だ

電子対反発則で見る六つの形

直線形
🔍 六つの構造をくらべる
①直線形(CO₂):結合した原子 2、非共有電子対 0。二重結合も一方向として数えるので、C のまわりの電子対のまとまりは二つだけ → 無極性
②平面三角形(BF₃):結合した原子 3、非共有 0 → 無極性
③折れ線形(SO₂):結合した原子 2、非共有 1。三つの電子対のまとまりが平面三角形に並び、そのうち一つが非共有なので形が折れ曲がる → 極性
④正四面体形(CH₄):結合した原子 4、非共有 0 → 無極性
⑤三角錐形(NH₃):結合した原子 3、非共有 1。四つのまとまりが正四面体に並び、頂点を非共有電子対が占める → 極性
⑥折れ線形(H₂O):結合した原子 2、非共有 2 → 極性

非共有電子対と結合角

VSEPR の要点
反発の強さ:非共有-非共有 > 非共有-共有 > 共有-共有
非共有電子対はより広い空間を占め、共有電子対を押しやる
結合角比較
CH₄(109.5°) > NH₃(107°) > H₂O(104.5°)
四つの電子対のまとまりのうち、非共有電子対が 0 → 1 → 2 個と増えると結合角はしだいに狭くなる
💡 非共有電子対が結合角を狭める理由
①共有電子対は二つの原子核のあいだに引き止められ、細く伸びる
②非共有電子対は中心の原子核一つだけに結びついているので、中心原子の近くで広く広がる
③広がった非共有電子対が共有電子対を強く押し、結合どうしの角が狭まる
④だから同じ正四面体の配置でも、結合角は CH₄ 109.5°、NH₃ 107°、H₂O 104.5° と小さくなる。図でこの三つの構造を順に送ると、非共有電子対が一つずつ増える

極性の判断

分子の極性の判断

形と極性
形例対称極性
直線形CO₂○無極性
平面三角形BF₃○無極性
折れ線形H₂O, SO₂×極性
正四面体形CH₄, CCl₄○無極性
三角錐形NH₃×極性
💡 極性分子を見分ける三つの段階
①それぞれの結合が極性かどうかを見る。二つの原子の電気陰性度が違えば極性結合だ
②分子の形が対称かどうかを見る。形は VSEPR で決める
③対称なら結合の双極子が打ち消し合って無極性。CO₂ の二つの C=O は正反対を向いて打ち消し合う
④非対称なら双極子の和が 0 にならず極性。H₂O は折れ曲がっているので、二つの O–H の双極子が打ち消されない
⑤だから同じ種類の極性結合でできていても、形によって分子の極性が分かれる

実際に解いてみる

例題 1
メタン(CH₄)分子の形と結合角を求めよ。
1
中心原子 C のまわりの電子対のまとまりを数える。H 4 個と結合し、非共有電子対はない。
C のまわりの電子対のまとまり 4(結合 4、非共有 0)
2
四つのまとまりがいちばん離れる配置は正四面体で、すべて結合なので形も正四面体形になる。
正四面体形、109.5°
▸ 正四面体形、109.5°
非共有電子対がなければ結合角は狭まらず、109.5° のままだ。図の正四面体で、くさびと破線が立体的に伸びる二本の結合にあたる。
例題 2
水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)の分子の形を比較せよ。
1
H₂O は中心の O に、結合した原子 2 個と非共有電子対 2 個、合わせて四つの電子対のまとまりがある。
H₂O:正四面体の配置のうち二か所が非共有 → 折れ線形、104.5°
2
CO₂ は中心の C に二重結合が 2 本あり、非共有電子対がないので、電子対のまとまりは二つ。
CO₂:電子対のまとまり 2、非共有 0 → 直線形、180°
▸ H₂O は折れ線形、CO₂ は直線形
どちらも中心原子に原子が二つ結合しているが、非共有電子対があるかないかで折れ線形と直線形に分かれる。だから H₂O は極性、CO₂ は無極性だ。

まとめ

分子の形を決める手順
① 中心原子のまわりの電子対のまとまりを数える → ② 非共有電子対の数を確かめる → ③ 形を決める
電子対のまとまり = 結合した原子の数(多重結合も 1)+ 非共有電子対の数
2022 評価院 模試 化学Ⅰ 類題
次の分子のうち、分子の形が直線形のものはどれか?
①H₂O
②NH₃
③CH₄
④CO₂
⑤SO₂
▸ ④ CO₂
1
それぞれの分子で、中心原子のまわりの電子対のまとまりの数と非共有電子対の数を数える。
2
H₂O、NH₃、SO₂ は非共有電子対があって折れ線形や三角錐形になり、CH₄ は正四面体形。電子対のまとまりが二つだけで非共有電子対がないのは CO₂ だけだ。
O=C=O:電子対のまとまり 2、非共有 0 → 直線形 180°
🎯 試験ポイント
①VSEPR:中心原子のまわりの電子対のまとまりは、互いにいちばん遠く離れるように並ぶ
②多重結合は電子対のまとまり一つとして数える
③非共有電子対はより広い空間を占め、結合角を小さくする
④CH₄ 正四面体形(無極性)、NH₃ 三角錐形(極性)、H₂O 折れ線形(極性)、CO₂ 直線形(無極性)
⑤分子の極性は、結合の極性と形の対称性をあわせて判断する

最終更新

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