生物 細胞の構造と機能 わかりやすく Cell Structure and Function
細胞は生命の基本単位で、その中では核、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体などの細胞小器官が仕事を分けもっています。
核は DNA にふくまれる遺伝情報をたくわえ、リボソームはその情報にしたがってタンパク質をつくり、ミトコンドリアは細胞呼吸で ATP をつくります。
細胞の外に出すタンパク質は粗面小胞体でつくられてゴルジ体を経て細胞膜から出ていき、植物細胞には動物細胞にない細胞壁、葉緑体、大きな液胞があります。
図では小器官を一つずつ選んで形とはたらきを調べ、全体表示では小胞体からゴルジ体を経て細胞膜へ向かう分泌の道すじをたどることができます。
細胞は生命の基本単位 細胞の中では、遺伝情報の管理、エネルギーの生産、タンパク質の合成と加工、古くなった物質の分解が同時に進む。これらが一つの空間にまざっていると、分解酵素が新しくできたタンパク質をこわしたり、材料がちがう場所に散らばったりしてしまう。そこで真核細胞は膜で空間を仕切り、核は DNA を守り、ミトコンドリアは呼吸を行い、リソソームは分解酵素を閉じこめておく。小器官の名前を一つずつ覚える前に、膜で仕切られた区画ごとに何をしているか、タンパク質がどの区画からどの区画へ移るかをまずつかんでおくと、それぞれの小器官の位置が自然に整理される。
🔬 細胞を都市にたとえると
①核は市役所:遺伝情報をたくわえ、どのタンパク質をつくるか指示する
②ミトコンドリアは発電所:細胞呼吸で ATP をつくる
③リボソームと小胞体は工場、ゴルジ体は物流センター:タンパク質をつくり、仕上げて包み、必要なところへ送り出す
④リソソームはリサイクルセンター:古くなった小器官や細胞内にとりこんだ物質を分解する
細胞小器官を調べる 核が見えないからといって細胞ではないと決めつけてはいけない。細菌は核膜のない原核細胞で、ヒトの赤血球は成熟するときに核を失うが、どちらも細胞である。また、すべての小器官が膜につつまれていると思いがちだが、リボソームは膜のない粒で、核とミトコンドリアは二重膜、小胞体とゴルジ体とリソソームは一重の膜につつまれている。動物細胞と植物細胞をくらべるときも、共通の構造と一方にしかない構造を分けて読む必要がある。核、ミトコンドリア、リボソーム、小胞体、ゴルジ体は両方にあり、細胞壁、葉緑体、大きな液胞は植物細胞だけに、中心体とリソソームはおもに動物細胞にある。
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動物細胞のおもな小器官と、小胞体 → ゴルジ体 → 細胞膜へ続く分泌の道すじ 大きな楕円は細胞膜で、その中に六つの小器官が決まった位置にかかれている。スライダーで一つを選ぶとその小器官だけが濃くなり、下に名前とはたらきが一行で出る。核は二重の円(二重膜)とその中の核小体、ミトコンドリアは内側にひだ(クリステ)のある楕円、小胞体は波形の膜で、上の二本につく小さな点がリボソームなので粗面小胞体を表している。ゴルジ体は平たい袋が四枚、はなれた六つの点は細胞質のリボソーム、紫の円はリソソームである。最後の全体表示では六つの小器官がすべて明るくなり、小胞体からゴルジ体を経て細胞膜へ向かう点線の矢印が分泌の道すじを表す。
💡 小器官ごとに見るところ
①核:二重膜(核膜)につつまれ DNA をたくわえ、核小体ではリボソームをつくる rRNA が合成される
②ミトコンドリア:二重膜で、内膜がひだになってクリステをつくり、細胞呼吸で ATP をつくり、独自の DNA をもつ
③小胞体:リボソームのついた粗面小胞体は分泌タンパク質をつくり、リボソームのない滑面小胞体は脂質を合成する
④ゴルジ体:小胞体から届いたタンパク質を加工し、小胞に入れて送り出す
⑤リボソームは膜のない粒で、mRNA を翻訳してタンパク質をつくる
動物細胞と植物細胞 細胞の比較
動物細胞と植物細胞のちがい
項目 動物 植物 細胞壁 なし あり(セルロース) 葉緑体 なし あり(光合成) 中心体 あり なし(多くの植物) 液胞 小さい(あっても複数) 大きい(中央に一つ) リソソーム あり ほとんどない(液胞が代わりをする)
例題と過去問で確認 例題 1
すい臓の消化酵素のように細胞の外へ分泌されるタンパク質がつくられて出ていく道すじを、順に答えよ。
1 分泌タンパク質は粗面小胞体についたリボソームで合成され、小胞体の中へ入る。
2 小胞体の中のタンパク質は輸送小胞に入ってゴルジ体へ運ばれる。
3 ゴルジ体で加工・包装されたタンパク質は分泌小胞に入り、分泌小胞が細胞膜と融合して細胞の外へ出ていく。
▸ リボソーム(粗面小胞体)→ 小胞体 → ゴルジ体 → 分泌小胞 → 細胞膜
図の全体表示の点線の矢印がまさにこの道すじである。膜につつまれた小器官が、つくる、仕上げる、送り出すという仕事を順に分けもっている。
例題 2
ある細胞で細胞壁、葉緑体、大きくて一つだけの液胞が観察され、中心体とリソソームは見られなかった。この細胞は動物細胞と植物細胞のどちらか。
1 セルロースでできた細胞壁と葉緑体は植物細胞にだけある。
2 大きくて一つだけの中央の液胞も植物細胞の特徴で、多くの植物細胞には中心体とリソソームがない。
▸ 植物細胞
核、ミトコンドリア、リボソーム、小胞体、ゴルジ体は動物細胞にも植物細胞にもある。細胞壁、葉緑体、大きな液胞のうち一つでも見られれば植物細胞である。
韓国修能 類題
動物細胞の細胞小器官についての説明として正しいものはどれか。
① リボソームは一重の膜につつまれている。
② ミトコンドリアには独自の DNA がない。
③ リボソームは膜がなく、ここでタンパク質の合成(翻訳)が起こる。
④ ゴルジ体は光合成を担う。
⑤ リソソームは ATP を生産する。
▸ ③ リボソームは膜がなく、ここでタンパク質の合成(翻訳)が起こる。
1 リボソームは rRNA とタンパク質からなる膜のない小器官で、mRNA を翻訳してタンパク質をつくる。よって①は誤りで③が正しい。
2 ミトコンドリアには独自の DNA があり(②)、光合成は葉緑体(④)、ATP の生産はおもにミトコンドリア(⑤)が担うので、残りは誤りである。
総まとめ 分泌タンパク質の通り道
核(DNA → mRNA)→ 粗面小胞体のリボソーム(合成)→ 小胞体 → ゴルジ体(加工・包装)→ 分泌小胞 → 細胞膜
遺伝情報がタンパク質になって細胞の外へ出るまで、いくつもの小器官が順に仕事を受けもつ
🎯 試験ポイント
①核:二重膜、DNA の保管、遺伝子発現の調節
②ミトコンドリア:二重膜、独自の DNA、細胞呼吸で ATP を生産
③リボソーム:膜なし、mRNA を翻訳してタンパク質を合成
④分泌の道すじ:粗面小胞体 → ゴルジ体 → 分泌小胞 → 細胞膜
⑤植物細胞だけにある構造:細胞壁、葉緑体、大きな中央の液胞
最終更新 2026-10-17