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高校1~高校2年生 (15-17歳)

生物基礎 物質代謝とエネルギー わかりやすく

Metabolism and Energy

細胞は、グルコースなどの栄養分を分解して得たエネルギーをすぐには使わず、まず ATP にたくわえてから、筋肉の収縮や物質の合成のようにエネルギーが必要なところでとり出して使います。 ATP の最後のリン酸結合が切れて ADP とリン酸(Pi)になるときにエネルギーが出て、細胞呼吸で得たエネルギーで ADP とリン酸がふたたび ATP になります。 こうした代謝の反応は、酵素が活性化エネルギーを下げるので、体温ほどの低い温度でも速く進みます。 図では細胞の活動量を変えると、ATP が ADP に変わる速さと、ふたたびつくられる速さがいっしょに変わるようすを見ることができます。

エネルギーの通貨、ATP

💰 ATP は細胞の通貨
①お金をかせいでおいて必要なときに使うように、細胞は栄養分から得たエネルギーを ATP に変えておき、必要なときに使う
②グルコースのエネルギーは細胞呼吸を経て ATP にたくわえられ、ATP のエネルギーは筋肉の収縮、物質の合成、能動輸送、体温の維持に使われる
③エネルギーをやりとりする共通の手段としてはたらくので、ATP はエネルギーの通貨とよばれる

ATP と ADP の循環

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🔑 ATP のつくりと循環
①ATP はアデノシン(アデニン + リボース)にリン酸が三つ結合した物質である
②末端のリン酸結合が切れると ADP とリン酸になり、エネルギーが出る(標準状態でおよそ 7.3 kcal/mol)
③細胞がもつ ATP の量は多くないので、使った分はすぐに細胞呼吸のエネルギーでつくり直す
④だから活動量がふえると分解と合成がいっしょに速くなるだけで、細胞の中の ATP の量はほとんど変わらない

中心となる反応

ATP の分解(エネルギー放出)
ATP → ADP + Pi + エネルギー(約 7.3 kcal/mol)
末端のリン酸結合が切れて出たエネルギーが、筋肉の収縮や物質の合成などの生命活動に使われる
ATP の合成(エネルギー貯蔵)
ADP + Pi + エネルギー → ATP
細胞呼吸でグルコースを分解して得たエネルギーを ATP にたくわえる

エネルギー代謝の比較

同化と異化
項目同化異化
物質の変化簡単な物質 → 複雑な物質複雑な物質 → 簡単な物質
エネルギー吸収(ATP を使って進む)放出(一部が ATP にたくわえられる)
例光合成、タンパク質の合成細胞呼吸、消化

酵素と代謝

⚡ 酵素は生体触媒
①代謝の反応は、酵素がなければ体温ほどの温度ではほとんど進まない
②酵素は反応に必要な活性化エネルギーを下げて反応を速くするが、反応の前後のエネルギーの差は変えない
③酵素は活性部位に合う特定の基質にだけはたらく(基質特異性)
④酵素は反応のあともそのまま残り、同じ反応を何度も助ける
酵素反応
E + S → ES → E + P
酵素(E)と基質(S)が結合して酵素-基質複合体(ES)をつくり、反応が終わると生成物(P)がはなれ、酵素はそのまま残る

例題で確認

例題 1
筋肉が収縮してエネルギーを使うときに起こる ATP の反応と、そのときにできる物質を答えよ。
1
ATP の末端のリン酸結合が切れて、エネルギーが出る。
2
ATP → ADP + Pi(無機リン酸)+ エネルギーで、このエネルギーが筋肉の収縮に使われる。
▸ ATP → ADP + Pi + エネルギー(できる物質:ADP、Pi)
できた ADP と Pi は捨てられず、細胞呼吸で得たエネルギーでふたたび ATP になる。激しく運動するほど、図の上下の矢印がいっしょに太くなるのはこのためである。
例題 2
酵素が化学反応を速くするしくみを、活性化エネルギーを使って説明せよ。
1
酵素は生体触媒で、反応が起こるのに必要な活性化エネルギーを下げる。
2
活性化エネルギーが下がると、同じ温度でその壁をこえる分子がふえ、反応が速くなる。反応の前後のエネルギーの差は変わらない。
▸ 活性化エネルギーを下げて反応速度を上げる(反応の前後のエネルギーの差は変わらない)
酵素は出発点と到着点の高さはそのままにして、そのあいだの山の高さだけを下げる。だから反応で出るエネルギーの量は変わらず、反応の速さだけが変わる。

総まとめ

ATP の循環のかなめ
細胞呼吸(異化)→ ADP + Pi + エネルギー → ATP → 生命活動(筋肉の収縮、物質の合成)→ ADP + Pi
ATP はエネルギーを得る反応とエネルギーを使う反応をつなぐ
韓国修能 類題
ATP と物質代謝についての説明として正しくないものは?
①ATP はアデノシンにリン酸が三つ結合したつくりである。
②ATP が ADP に分解されるときにエネルギーが放出される。
③同化はエネルギーを吸収する合成反応である。
④酵素は活性化エネルギーを上げて反応を促進する。
⑤細胞呼吸で得たエネルギーが ATP にたくわえられる。
▸ ④ 酵素は活性化エネルギーを上げて反応を促進する。
1
酵素は活性化エネルギーを下げて反応を速くする生体触媒である。
2
活性化エネルギーを上げるという④は向きが逆なので誤りである。ほかはすべて正しい。
🎯 試験ポイント
①ATP はアデノシンにリン酸が三つ結合した物質で、エネルギーの通貨としてはたらく
②ATP → ADP + Pi の反応で出たエネルギーが生命活動に使われる
③細胞呼吸で得たエネルギーで ADP + Pi → ATP が起こる
④酵素は活性化エネルギーを下げ、基質特異性をもち、反応の前後のエネルギーの差は変えない
⑤同化は合成(エネルギー吸収)、異化は分解(エネルギー放出)である

最終更新

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