波動関数 確率密度 わかりやすく
粒子がどこにいるかを、自然は波動関数 ψ(x) で書いておきます。ψ 自体は負にもなり、そのまま測ることもできません。実際に見るのはその二乗 |ψ(x)|² で、それが粒子をその場所で見つける確率密度です。最初の図は、ψ が上下に揺れるところから始まります。揺れが先に見えます。
ψ はこの講で初めて出る記号で、粒子の状態を書いた波動関数です。ガウスの覆いの中でコサインが揺れる ψ(x) を見ると、値は正になったあと負へ下がります。中心を動かすと形はそのまま付いてきて、負の区間は測定値ではなく振幅です。ψ が負まで行ってこそ二つの波が出会って消し合え、いつも正の古典確率はその打ち消しをまねできません。負の振幅があってこそ打ち消しが可能です。
同じ ψ を二乗した |ψ(x)|² を描きます。二乗すると負だった谷がすべて正の峰にひっくり返ります。同じ中心を動かすとこの曲線も付いてきて、決して 0 より下には下りません。符号が消えて残った正の塊が確率密度です。二乗して確率を得る規則はマックス・ボルンが提案し、標準の解釈になって、だからボルンの規則と呼びます。峰が発見の場所です。
確率密度の曲線の下の面積が実際の確率です。区間の左と右を定めると、その間の塗られた面積が P(a ≤ x ≤ b) として読めます。区間を狭くすれば確率は小さく、広くすれば確率は大きいです。その区間で粒子を見つける可能性を面積がそのまま言います。同じ準備の粒子を何度も測ると、その区間で見つかる割合がこの面積に集まり、確率は実験で確かめられる値になります。面積がその可能性です。
同じ形の波を二つ足して、相対位相だけを変えます。位相が 0 なら二つは強め合って |ψ|² が盛り上がり、π の近くなら打ち消し合って平らになります。二つの断片は別々に見れば同じなのに、合わさった確率は位相で変わります。位相は一つの |ψ|² だけを見ても見えませんが、干渉を左右します。二つの経路の相対位相が明るい縞と暗い縞として残るのが二重スリットの干渉なので、位相は見えなくても実験に跡を残します。位相は模様としてだけ残ります。
粒子はどこかには必ずいるので、|ψ|² の全体の面積はいつも 1 でなければなりません。ψ に倍率 c を掛けると |c·ψ|² の総面積が c² だけ大きくなったり小さくなったりします。面積がちょうど 1 になるところで図が強調されます。全体の確率を 1 に合わせるのが規格化です。一度 1 に合わせておけば、時間が流れて波が動き広がっても全体の面積は 1 のまま残り、粒子が急に消えることはありません。面積は保たれます。