閉じ込めるとエネルギーは飛び飛びになる
長さ L の箱 [0, L] に粒子を閉じ込めてみましょう。両方の壁で波動関数が 0 にならなければならないので、どんな波でも入れるわけではなく、両端が固定された定常波だけが生き残ります。つまり半波長が整数個ぴったり収まる形だけが許され、エネルギーも飛び飛びの値しか取れません。最初の図で、箱の中の定常波 ψₙ(x) を n を変えながら見ていきましょう。
箱の両方の壁で ψ は必ず 0 です。だから許される形は、ψₙ(x) = √(2/L)·sin(n π x / L) のように両端が 0 で固定された定常波だけです。n を 1, 2, 3, 4 と変えると、節(node)が一つずつ増えるのが見えます。n 番目の状態は内部に n-1 個の節を持ち、両端が壁に釘付けされています。
では各定常波が持つエネルギーをはしごで見ます。ここで初めて出るエネルギーは Eₙ(エネルギー準位)と書き、下付きの n が何段目かを教えます。電場 E と同じ文字 E を使いますが別の量で、これは飛び飛びのエネルギー準位です。Eₙ ∝ n² なので段は 1, 4, 9, 16 の比で並び、n を選ぶとその横棒が強調されます。上に行くほど段の間隔が広がるのが見えます。
なぜ整数だけが許されるのでしょう。箱の中には半波長が整数個ぴったり収まらなければなりません。n 番目の状態は半波が n 個入るので、波長は λₙ = 2L/n に決まります。スライダーで半波の数を変えると、両端が 0 になる形は整数のときだけできます。境界条件が λ を量子化し、λ が決まればエネルギーも量子化されます。
最も低い状態 n=1 を基底状態と呼びます。節が一つもない最も単純な山ですが、エネルギーは 0 ではなく最小値 E₁ を持ちます。これを零点エネルギーといいます。スライダーで箱の幅 L を小さくすると、E₁ ∝ 1/L² なので箱が狭くなるほど基底エネルギーが速く跳ね上がります。ℏ = h/2π を使うと E₁ = π²ℏ²/(2 m L²) で、閉じ込めるほどエネルギーは決して 0 になれなくなります。
結局、一つの整数 n がすべてを一度に決めます。n を選べば、波形の山の数、節の数(n-1)、そしてエネルギー Eₙ ∝ n² が同時に決まります。ステッパーで n を上げ下げすると、三つの値が一斉に変わるのが見えます。一つの整数が許された各状態に名前を付ける、これを量子数と呼びます。