調和振動子はエネルギー間隔が一定だ
粒子を硬い壁ではなく、なめらかなお椀型のポテンシャル V(x) = ½ m ω² x² の中に置いてみましょう。箱ではエネルギーの段が 1, 4, 9, 16 のように上ほど詰まっていましたが、ここではその逆で、間隔は下から上まで同じ ΔE = ℏω で一定です。準位は Eₙ = (n + ½)ℏω なので、はしごの横棒が一定間隔でずらりと並びます。最初の図では、お椀型の V(x) とその上に乗る等間隔のエネルギーはしごを一緒に見て、剛性 ω を変えると両者がどう連動するかを見ましょう。
お椀型 V(x) = ½ m ω² x² の剛性 ω をスライダーで変えてみましょう。この ω は振動子の角振動数で、古典的な単振動(SHM)で使った ω とまったく同じ量です。ω を大きくするとお椀は細く急になり、その上に乗るエネルギーはしごも一緒に上下に伸びます。横棒はつねに一定間隔 ΔE = ℏω に並び、その値が横に表示されます。箱の 1, 4, 9, 16 とは違って、段の間隔が詰まることは決してありません。
では各はしごの段がどんな波動関数 ψₙ(x) を持つかを見ましょう。ここで Hₙ はエルミート多項式(下付き添字の付いた多項式)で、同じ文字を使うハミルトニアン H とは別の量です。ψₙ はガウスの山に Hₙ(x) を掛けた形なので、n 番目の状態はちょうど n 個の節(node)を持ちます。ステッパーで n を 0 から 4 まで上げると、山がお椀の中で波打ち、節が一つずつ増えるのが見えます。
高い段に上がると、量子と古典がどう出会うかが見えます。古典的な振動子は端点(転回点)の近くで遅くなり長くとどまるので、そこで見つかる確率が ∝ 1/√(xmax² − x²) で最も大きくなります。スライダーで n を上げると、量子 |ψₙ(x)|² の波打つ山々がしだいにこの浴槽型の古典曲線をなぞります。n が小さいうちは両者は大きく異なりますが、n が大きくなると確率が両方の転回点近くに集まり、ほぼ重なります。これが対応原理です。
同じ粒子、違うお椀。二つのはしごを並べて比べましょう。箱は硬い壁なので Eₙ ∝ n² で、段は 1, 4, 9, 16 のように上ほど速く広がります。調和振動子はなめらかな放物線のお椀なので Eₙ = (n + ½)ℏω で、間隔は最後まで同じ ΔE = ℏω です。トグルで二つのはしごを切り替えると、ポテンシャルの形がエネルギー間隔をどう決めるかが一目でわかります。
基底状態 n=0 をよく見ましょう。節が一つもない単純なガウスの山ですが、エネルギーは 0 ではなく E₀ = ½ℏω です。これが零点エネルギーで、最も穏やかな状態でさえ完全に止まることはできません。スライダーで ω を変えると山の幅は広くも狭くもなりますが、E₀ = ½ℏω はつねに最初の段の半分の高さにとどまり、0 には触れません。閉じ込められている限り、基底エネルギーは 0 になれません。