波は重なる場所で足し合わされる
波は空間を進みながら山と谷を運び、二つの波が同じ場所で出会うと、その瞬間の変位が単純に足し合わされます。これが重ね合わせの原理です。速さは v = fλ で決まり、二つの波は強め合ったり打ち消し合ったりし、振動数がわずかに違うとうなりが生じます。ここでは定在波ではなく、実際に流れていく進行波を扱います。
進行波は山と谷の形をそのまま保ったまま横へ流れていきます。波長 λ は山から次の山までの距離で、振動数 f は一点を一秒間に通り過ぎる山の数です。この二つの積 v = fλ が波の進む速さです。実際の媒質では速さ v は媒質そのもので決まってほぼ一定なので、振動数を高めるとその分だけ波長が短くなります。λ と f のスライダーを動かして、速さ v がどう決まるかを確かめましょう。
振動数が同じ二つの波を重ねると、各点での実際の波は二つの変位の和になります。位相差 Δφ が 0 のときは山と山が重なり、二倍に大きくなる強め合いの干渉が起きます。Δφ が π のときは一方の山が他方の谷と出会い、完全に打ち消し合って平らになります。ノイズキャンセリングヘッドホンはまさにこの打ち消し合いの干渉を利用し、入ってくる騒音と位相が π だけずれた波を作って耳元で音を消します。スライダーで Δφ を回し、和の曲線がどう変わるかを見ましょう。
振動数がほんの少し違う二つの波を重ねると、両者が合ったりずれたりを繰り返し、和の大きさがゆっくり大きくなったり小さくなったりします。このゆっくりしたうねりがうなりです。うなりの振動数は二つの振動数の差 |f₁ − f₂| に等しくなります。楽器を調律するときは、二つの音を一緒に鳴らしてうなりが消えるまで合わせれば、二つの振動数がちょうど等しくなったことになります。f₂ のスライダーを動かして二つの振動数を近づけ、うなりがどれだけ遅くなるかを確かめましょう。
重ね合わせの原理を一点で直接確かめましょう。縦のプローブを左右にドラッグすると、その場所での二つの波それぞれの高さと、その二つを足した値が一緒に表示されます。どの位置でも、和は常に二つの高さをただ足したものです。和がどの点でも正確に二つの高さの和であるため、二つの波は互いを通り抜けた後も、相手がいなかったかのように元の形をそのまま保って進みます。プローブを動かして、二つの値の和が実際の和の曲線とぴったり一致することを確かめましょう。
重ね合わせは、波が媒質をどのように揺らしても同じように成り立ちます。横波では媒質が進行方向に対して垂直に揺れ、私たちがよく描く曲線の形になります。縦波では媒質が進行方向に沿って前後に揺れ、密なところと疎なところができます。二つの図は同じ波を違うふうに描いただけです。光は横波で空気中の音は縦波ですが、重ね合わせの原理は両方に全く同じように当てはまります。トグルを押して、同じ揺れが二つの姿で現れるのを確かめましょう。