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材料力学 わかりやすく

梁のたわみ わかりやすく

曲率 = M/EI、EI·y″ = M を二度積分、境界条件、重ね合わせ

ここまでは梁が折れないか、つまり強度を見てきました。けれども折れないからといって終わりではありません。飛び込み板が揺れすぎたり、床の梁が目に見えてたわんだりすれば、壊れなくても使えません。だから梁が実際にどれだけ曲がるか、剛性を見なければなりません。その曲がった形をたわみ曲線と呼び、求める道は単純です。B3 で見たように、梁の曲がる度合いである曲率は、その場所のモーメントに比例し、曲げ剛性に反比例します。曲率 = MEI です。曲率はたわみを二回微分したものなので、逆に MEI を二回積分するとたわみが出ます。積分すると定数が生まれ、その定数は支点が与える境界条件が決めます。いくつかの荷重が一緒に掛かれば、別々に解いて足せばよいのです。

まずたわみそのものを見ます。一方が固定された片持ち梁の端を押すと、梁は下へ曲がりながら滑らかな曲線を描きます。これがたわみ曲線 y(x) で、各位置が元の場所からどれだけ下がったかを表します。端をより強く押すほど、より深くたわみます。弾性域の中ではたわみも荷重に正比例し、フックの法則がここまでついてきたのです。片持ち梁の先端荷重なら、先端のたわみは δ = PL³(3EI) です。ここで目を留めるのは L³ です。長さが二倍ならたわみは八倍です。だから長い梁はずっと多くたわみ、たわみの問題では長さがいちばん怖い変数です。

たわみの正体を一枚はがします。曲がった梁の一片だけを取ると、それは小さな円弧のように曲がっています。どれだけ曲がったかを曲率と呼び、半径 R の逆数です。核心の関係がここにあります。κ = MEI。その場所の曲げモーメント M が大きいほどより曲がり、曲げ剛性 EI が大きいほどあまり曲がりません。M を動かすと、モーメントが大きくなるとき片がより丸く巻きます。EI は断面が深く材料が硬いほど大きくなり、同じモーメントでも EI が大きければほとんど曲がりません。強度では断面係数 S が主役だったなら、剛性では EI が主役です。曲率こそたわみの種なので、場所ごとに決まった小さな曲がりが積もって、全体のたわみ曲線になります。 種が曲線になります。それが全体です。

ここで小さな曲率をたわみへ積み上げます。数学では曲率がたわみ y を二回微分したものです。EI·y″ = M。だから逆に進めばよいのです。MEI を一回積分すると梁の傾き y′ が出て、もう一回積分するとたわみ y が出ます。片持ち梁の先端荷重を見ると、モーメントは位置に対して線形なので MEI も線形、一回積分した傾きは放物線、もう積分したたわみは3次曲線です。P を動かすと三つの曲線が一緒に育ち、積分するたびに次数が一つ上がるのが見えます。この二回の積分が、たわみ解析のエンジンです。モーメント図さえあれば、積分二回で梁がどんな形に曲がるかまるごと得られます。 積分がエンジンです。

積分には罠が一つあります。積分するたびに未知の定数が一つ付き、二回積分したので定数は二つです。この二つを決めないと、たわみ曲線が上下に浮いたり、まるごと傾いたりします。この定数を固定するのが境界条件、つまり支点が与える事実です。片持ち梁なら固定端でたわみも 0、傾きも 0 です。壁に挟まれているからです。その二つの条件が定数二つを決めます。単純梁なら代わりに両端でたわみが 0 です。ボタンで支点を変えると、同じ荷重なのにたわみの形がまったく変わります。曲率の分布が同じでも、境界条件が違えば結果が違います。だから梁の問題では、支点が何であるかが半分です。 支点が形の半分です。

最後に、実務を楽にしてくれる贈り物があります。すべてが線形なので、たわみも足し算になります。梁に荷重がいくつも掛かっていれば、各荷重が一人で作るたわみを別々に求めてから足せば終わりです。これを重ね合わせと呼びます。ボタンで荷重 A だけ、B だけ、両方を切り替えると、両方掛けたときのたわみは、A 一人のたわみと B 一人のたわみを足したものと正確に同じです。だから複雑な荷重も恐れる必要はありません。基本の場合のたわみ公式が表にまとまっていて、実際の問題はその表を出して足せば解けます。たわみ解析は、結局、積分二回と足し算で回ります。 表を出して足すのが実務の全部です。毎回初めから積分する必要はありません。基本だけ知れば足ります。

実際に使うまとめると、梁のたわみは曲率を二回積分して得ます。曲率 = MEI が核心で、EI·y″ = M です。一回積分すれば傾き、二回積分すればたわみ y(x) が出ます。積分定数の二つは、支点の境界条件が決めます。片持ち梁は固定端のたわみ 0 と傾き 0、単純梁は両端のたわみ 0 です。たわみは長さに非常に敏感で、片持ち梁の先端荷重は δ = PL³3EI、単純梁の中央荷重は δ = PL³48EI のように L³ で大きくなります。すべて線形なので、いくつかの荷重は別々に解いて足す重ね合わせが通ります。工学では強度と剛性の両方が必要です。折らないようにするには σmax ≤ 許容、たわみすぎないようにするには δ ≤ 限界でなければなりません。ここまでが C の筋、梁解析の筋です。次の講からは、一点の応力が見る方向によってどう変わるかへ入ります。
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