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単語帳
流体力学

流れは速度場、流線はそれをたどる

オイラー速度場 + 流線(速度に接し横切らない) + 定常・非定常

流れる水の上に格子を敷いて、各点で水がどちらへどれだけ速く流れるかを矢印で描きました。これが速度場です。一粒の水滴を最後まで追いかける代わりに、空間の各点にカメラを固定し、そこを通る水の速度を読むのです。この見方をオイラー的視点と呼びます。プローブをドラッグして動かすと、場所ごとに矢印の向きと長さが変わるのが見えます。そしてこの矢印を次々たどってつなぐと、一本の滑らかな曲線が描かれます。それが流線です。流線はその瞬間に水が進む道をそのまま見せてくれます。流れを絵として読む第一歩です。

まず、速度場そのものを感じてみましょう。格子の矢印の一本一本が、その場所を通る水の速度です。向きは水の進む方、長さは速さ。プローブをドラッグして横に動かしてみてください。ある場所では矢印が上に、別の場所では下に傾きます。一粒の水滴の運命を追うのではなく、空間を満たす速度の分布をまるごと見るのです。風を矢印で描いた天気図を思い浮かべてください。その地図こそが速度場で、流体力学はこの場を読むことから始まります。

では、その矢印をたどってみましょう。水に小さな種を一つ落としたと想像してください。種は足元の矢印が指す方へ少し進み、新しい場所でまたその場所の矢印に従い、これを延々と繰り返します。その跡が流線です。種の高さをドラッグして出発点を変えてみてください。出発点ごとに違う流線が描かれます。矢印が点々と示された案内なら、流線はその点をつないで描いた滑らかな道です。川に葉っぱを浮かべると、葉が描く線、それがまさに流線です。

流れには二種類あります。定常流と非定常流。定常流は時間がたっても各点の速度が変わらない流れです。川の一点を見ると、水は流れ続けますが、その点の速さと向きはいつも同じ。だから流線の絵も時間がたってもそのまま。非定常流は点の速度が時間とともに変わります。波立つ海のように。ボタンで二つを切り替えてみてください。定常流では流線が一つの形に固定されますが、非定常流では少し後の流線が今と違ってずれます。これから扱う公式の多くは、扱いやすい定常流を仮定します。

流線には決定的な性質が一つあります。流線上のどの点でも、速度はちょうど流線の接線方向を指します。当然です。流線はそもそも矢印をたどって引いた線ですから。点をドラッグして流線に沿って動かすと、速度の矢印が常に曲線にぴたりと接しているのが見えます。ここで重要な結論。どんな水も流線を横切って流れません。速度は流線に沿うだけで、横切る成分がないからです。だから流線は見えない壁のように働きます。この性質は次の講で、断面を通る流量を数えるときに決定的に効いてきます。

最後に川を見てみましょう。川幅が広い所では流線がゆるく広がり、川が狭まる難所では流線どうしがぴったり寄り集まります。狭まりの幅をドラッグして川を絞ってみてください。狭くなるほど流線が密になります。流線が密だということは、そこで水が速く流れるということ。同じ量の水が狭い道を通り抜けるには、速くなるしかないからです。川の狭い瀬で流れが速くなるのはこれです。流線の間隔こそが速さの地図で、この直感が次の講の連続の式で正確な公式になります。

実際に使うまとめると、流れは空間の各点に速度ベクトルをつけた速度場です。一つの粒子を追う代わりに各点の速度を読む、この見方がオイラー的視点。流線はある瞬間に速度ベクトルをたどって描いた曲線で、定義上、速度は常に流線に接します。だからどんな流れも流線を横切れず、流線は見えない壁のように振る舞います。時間がたっても各点の速度がそのままなら定常流、変われば非定常流で、定常流では流線が粒子の実際の経路と一致します。流線が密な所が速い所、という直感も得ました。次の講ではこれを定量化し、断面が狭まるとなぜ速くなるかを、質量保存すなわち連続の式で解きます。
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