グリーン ストークス ガウス わかりやすく
発散は一点からどれだけ漏れ出すかを測り、回転は一点でどれだけ回るかを測ります。一点ではなく、領域全体を見たいときがあります。領域の中の小さな発散をすべて足すと、その和は境界の外へ出ていく総量に等しくなります。中の回転をすべて足すと、その和は境界に沿って回る循環に等しいです。前の約束がガウスの定理、後の約束がストークスの定理です。中で起きたことの合計を、境界の一本を測るだけで知ることができます。広い面積分を短い周回積分に変える、計算の近道です。
ガウスの定理を、円一つで見ます。背景は発散の色地図で、金色は漏れ出す場所、青は吸いこまれる場所です。円周には外を向く矢印が立ち、金色は外へ出る流れ、青は内へ入る流れです。半径のスライダーで円を大きくしたり小さくしたりすると、二つの数がいっしょについてきます。内部は円の中の発散をすべて足した値、境界は周を横切って出ていく総フラックスです。半径が変わっても二つはほぼ等しいです。それがガウスの定理です。
今度は図を外して、二つの数だけを並べます。左は ∫∫ ∇·F dA、円の中の発散を残らず足した面積分です。右は ∮ F·n ds、円周で外向きに漏れ出すフラックスを一周分集めた周回積分です。半径のスライダーを動かすと、二つの値は手を取り合うようにいっしょに動き、ほぼ等しくなり、真ん中の一致の表示がそれを確かめます。一方は円の中をすべてなぞる必要がありますが、もう一方は境界の一本で足ります。定理が近道である理由はここにあります。
今度はストークスの定理で、場も変わっています。原点の近くで反時計回りに回る渦が一つあり、背景は回転の色地図です。金色は反時計回りに回る場所で中央が最も強く、円の上には周に沿って回る接線の矢印が立っています。半径のスライダーを動かすと、内部は円の中の回転をすべて足した値、境界は周に沿って回る循環になります。円を大きくすると二つの値がいっしょに大きくなり、同じ値を指します。中の和と境界の積分が等しいことが、二つの数で見えます。
再び図を外して、二つの数だけを見ます。左は ∫∫ ∇×F dA、円の中の回転を残らず足した面積分です。右は ∮ F·dr、円周に沿って場が引き回す循環を一周分集めた周回積分です。半径のスライダーを動かすと、二つの値はいっしょに大きくなり、ほぼ等しくなって、真ん中の一致の表示が確かめます。ガウスの定理が領域の発散を境界のフラックスに変えたなら、ストークスの定理は面の回転を境界の循環に変えます。中で回る量をすべて足すと、境界が回る量に等しくなります。
最後に二つの定理を一つの円に重ねます。ボタンが一つあります。ガウスを押すと周に外を向く法線の矢印が現れ、ラベルは漏れ出すフラックスが内部の発散の和に等しい、に変わります。ストークスを押すと同じ周が接線の矢印に替わり、ラベルは循環が内部の回転の和に等しい、になります。ボタン一つで ∇· と ∇× が、そして法線と接線がまるごと入れ替わります。形は双子で、どちらも中で足した微分は境界で測った積分に等しい、と言っています。中にどの微分を置き、境界に矢印をどう立てるかだけが違い、この一文がベクトル解析を支えています。