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動力学 わかりやすく

回転運動エネルギー とは

回転運動E ½Iω²、トルクの仕事 W=Mθ(P=Mω)、転がり KE=½mv²(1+β)、エネルギー保存 mgh=½mv²(1+β)、形状別到達速力

回っている物体もエネルギーを蓄えています。こまやフライホイールはその場で回っているだけでも、止めるには仕事が必要で、そのエネルギーが回転の運動エネルギー ½Iω² です。このエネルギーを変えるのはトルクがした仕事 W = Mθ、つまりトルクに回した角を掛けた値です。転がる物体は、中心が進む並進の運動エネルギーと、その場で回る回転の運動エネルギーをいっしょに持っていて、そのため同じ高さから転がり下りても、形によって到着時の速さが違ってきます。この講では回転をエネルギーで見直し、動力学全体を一つにまとめます。

回転にも運動エネルギーがあり、その値は KE = ½ I ω² です。直線の ½mv² で、質量 m の代わりに慣性モーメント I、速度 v の代わりに角速度 ω が入った同じ形です。スライダーで ω を大きくすると円板の回転が速くなり、金色の棒の回転 KE が ω の二乗でふくらみます。角速度を二倍にすれば、回転の運動エネルギーは四倍になります。慣性モーメントの大きい重いフライホイールを速く回しておけば、多くのエネルギーを蓄えて必要なときに取り出せるのも、このためです。

直線で仕事が W = F d だったように、回転ではトルクが角 θ だけ回してした仕事が W = M θ になります。スライダーで回した角を大きくすると金色の弧が広がり、一定のトルクのもとで緑の棒の仕事が角に比例して積み重なります。回転ではトルクが力の、角が距離の役目をするので、式の形がそのまま保たれます。この仕事をかかった時間で割れば仕事率になり、回転では P = M ω、つまりトルクに角速度を掛けた値です。自動車のエンジンの出力をトルクと回転数でいっしょに語るのも、この関係があるからです。

転がる物体は二種類の運動エネルギーを同時に持っていて、中心が進む並進の ½mv² と、その場で回る回転の ½Iω² です。すべらずに転がると ω = vr なので回転の分は ½βmv² になり、合わせた全体は KE = ½mv²(1+β) とまとまります。図の円板は β が ½ で、スライダーで速さを変えると、青い並進の区画と橙色の回転の区画がいっしょに伸びますが、その比はいつも同じです。だから同じ速さで転がる物体は、すべるだけの物体より運動エネルギーが大きくなります。

斜面を転がり下りると、てっぺんでの位置エネルギー mgh が、下で転がりの運動エネルギー ½mv²(1+β) にすべて変わります。上の緑の棒が出発時の位置エネルギー、下の棒が到着時の運動エネルギーで、二本の棒の長さはいつも同じです。スライダーで高さ h を変えると二本の棒がいっしょに伸び縮みし、下の棒の中で橙色の回転の分がいつも同じ割合を占めます。エネルギーの一部が回転へ回るため、同じ高さからでも、摩擦なしにすべり下りるときより到着時の速さは遅くなります。

だから同じ高さから出発しても、形ごとに到着時の速さが分かれます。到着時の速さは v = √(2gh(1+β)) なので、β が小さく回転にエネルギーをとられにくい球がいちばん速く、輪がいちばん遅くなります。ボタンで形を変えると、緑の棒がその形の到着時の速さを示し、棒の上の三本の目盛りのうち、選んだ形の目盛りが濃く表示されます。球の目盛りがいちばん右、輪の目盛りがいちばん左にあるので、順番がひと目でわかります。質量や半径は速さに影響せず、形、つまり質量がどう広がっているかだけが順番を決めます。

実際に使うまとめると、回転もエネルギーで解くことができます。回転の運動エネルギーは KE = ½ I ω²、トルクがした仕事は W = M θ、仕事率は P = M ω です。転がる物体は並進の ½mv² と回転の ½Iω² をいっしょに持ち、全体は KE = ½mv²(1+β) で、斜面では mgh = ½mv²(1+β) としてエネルギーが保存されます。ここから到着時の速さ v = √(2gh(1+β)) が得られ、β の小さい球がいちばん速い理由がここにあります。ここまでが動力学の大きな絵です。直線運動(位置、速度、加速度、ΣF=ma、仕事、エネルギー、運動量)を学んだあと、それらすべての概念を回転へ一文字ずつ移してきたわけで、x→θ、v→ω、a→α、m→I、F→M、p→L、½mv²→½Iω² です。質点から剛体へ、運動学から運動力学へ、力からエネルギーへと渡るあいだ、同じ法則が姿だけを変えてくり返し現れる、というのがこの科目の要です。
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