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動力学 わかりやすく

放物運動 わかりやすく

水平 x=vx·t と垂直 y=vy·t-½gt² の重ね合わせ、飛距離・最高点

同じ高さから二つのボールを同時に出発させます。一つはそのまま手を離して落とし、もう一つは横へ投げますが、横へ飛んだボールも落としたボールと毎瞬同じ高さを通り、同じ瞬間に地面に着きます。水平にどれだけ速く投げても、落ちる量は同じだということです。秘訣は、放物運動が互いに干渉しない二つの運動の重ね合わせだという点にあります。水平方向には力がないので等速、鉛直方向には重力だけがはたらくので等加速度で、二つの方向を別々に前の講の公式で解き、同じ時刻どうしを合わせればよいのです。曲がって見える運動も、実は二つの直線運動を重ねたものです。

スライダーで時間 t(秒)を動かすと、二つのボールがいっしょに動きます。左の青いボールは手を離して落としたもの、右の金色のボールは同じ高さから水平に投げたもので、淡い金色の点線は投げたボールがこれから描く道筋です。二つのボールを結ぶ青い点線はいつも水平のままで、毎瞬二つの高さがぴったり同じだということを表しています。横へ投げたボールがどれだけ遠くまで飛んでも、落ちる量は落としたボールと同じなので、二つは同じ瞬間に地面に着きます。重力は横の速さに関係なく下向きにだけ引くので、水平の運動が鉛直の落下に割り込む余地はありません。この独立性こそが放物運動を解く鍵です。

ここでは水平方向だけを取り出します。空気抵抗を無視すれば、水平方向には押す力も止める力もないので加速度は 0 で、水平の速度は最後まで変わりません。水平速度 vx のスライダーを動かすと、同じ時間間隔で記した金色の跡の間隔が広がったり狭まったりしますが、どの場合も間隔は一定で、青い速度の矢印もすべて同じ長さです。だから水平の位置は x = vx·t で、時間に比例するいちばん単純な運動です。放物線の横方向は、このように最初から最後まで同じ速さで流れていきます。

今度は鉛直方向だけを見ます。最初に上向きの速度があっても、重力がずっと下へ引くので、鉛直の運動は前の講の等加速度運動そのもので、上向きを正にとれば加速度はいつも −g、つまり下向きです。時間 t(秒)を動かすと、金色のボールははじめ速く上がり、しだいに遅くなって頂上で一瞬止まり、また下りてきます。横の橙色の矢印が、そのときどきの鉛直の速度の向きと大きさを示します。左の短い横の目盛りは同じ時間ごとのボールの高さで、頂上の近くで詰まり、下のほうではまばらになり、上りと下りが鏡のように対称です。高さは y = vy·t - ½g t² で、等加速度の公式そのままです。頂上は鉛直の速度が 0 になる瞬間で、金色の点線 H がその最高点の高さです。水平を忘れて上下だけを見れば、ボールをまっすぐ上へ投げたのと変わりません。

いよいよ二つの運動を合わせます。各瞬間の水平の位置は x = vx·t で、一定の歩幅で右へ進み、鉛直の位置は y = vy·t - ½g t² に従って上がってから下がります。時間 t(秒)を動かすと、金色のボールが淡い曲線に沿って飛び、この曲線が放物線です。地面の青い点はボールの水平の位置を、左の軸の橙色の点は高さを別々に示す影で、ボールはいつも二つの影から引いた点線が交わる所にあります。曲がって見えても新しいことは何もなく、水平の等速と鉛直の等加速度を同じ時計で同時に動かしただけです。

最後に投げる角度を変えます。打ち出す速さはそのままで角度 θ だけをスライダーで回しても、同じ力で投げたボールがどれだけ遠く、どれだけ高く行くかが大きく変わります。角度を立てると高く上がっても遠くへは行かず、寝かせると低く飛んでやはり遠くへは行きません。到達距離がいちばん長いのはちょうど真ん中の 45 度で、淡い点線がその軌道です。30 度と 60 度のように 45 度から同じだけずれた二つの角度は到達距離が同じで、一方は低く速く、もう一方は高くゆったりと飛んで、同じ場所に落ちます。地面の青い目盛りが到達距離、橙色の点が最高点の高さで、最高点は角度が急なほど高くなり、まっすぐ上へ投げる 90 度でいちばん高くなります。到達距離は R = v0² sin2θg で決まります。

実際に使うまとめると、放物運動の秘訣は一つ、水平と鉛直を別々に解くことです。水平は力がないので等速 x = vx·t、鉛直は重力だけを受けるので等加速度 y = vy·t - ½g t² で、二つの方向は時間という共通の時計を分け合うだけで、互いに独立です。だから投げた速さ v0 と角度 θ を vx = v0 cosθ、vy = v0 sinθ に分け、それぞれの方向に前の講の公式をそのまま使って、最後に合わせれば終わりです。滞空時間は高さが 0 に戻るまでの時間、到達距離はそのあいだに水平に進んだ距離、最高点は鉛直の速度が 0 になる所の高さです。到達距離は 45 度でいちばん長く、45 度の両側に同じだけずれた二つの角度では同じになります。曲がった道筋を二本の直線に分けて見る目が要で、次の講では、曲線に沿って回る運動の加速度を接線と法線の二方向に分けて、向きが変わる運動まで扱います。
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