高速道路でクルーズコントロールをかけた自動車のように、速度が変わらない運動を等速直線運動といいます。
加速度が 0 なので同じ時間ごとにいつも同じ距離を進み、移動距離は速度に時間を掛けた s = vt で求めます。
v-t グラフでは高さ v の水平線が描かれ、その下の長方形の面積がそのまま変位です。
速度と時間のスライダーを動かすと、1 秒ごとに同じ間隔で打たれる位置と最後の位置が変わり、下のグラフでは長方形の面積が同じ値で一緒に変わります。
速度が一定の運動
s = vt を使う前に、まず速度が一定かどうか、つまり加速度が 0 かどうかを確かめる。合力が 0 なら、ニュートンの第 1 法則によって物体はこの運動をし、同じ時間ごとに同じ距離だけ位置が増える。v-t グラフが水平なら、その下の長方形の面積は v × t で変位に等しいので、この章では式と面積を並べて見る。途中で速度が変わると、1 つの v に t を掛ける式はもう成り立たない。
🚗 等速直線運動の直観
①クルーズコントロールをかけた自動車のように、速度が変わらない運動である
②速度が変わらないので加速度は 0 である
③同じ時間の間にいつも同じ距離を進む
④x-t グラフは直線で、その傾きが速度である
⑤合力が 0 なら、物体は等速直線運動をする(ニュートンの第 1 法則)
物体の移動
5 m/s
4 s
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等速直線運動をする物体が、数直線の上を 1 秒ごとに同じ距離ずつ進む様子
移動の図では、0 から 100 m まで目盛りを打った水平線の上に緑の円が置かれ、その位置はスライダーで選んだ速度と時間から計算した s = vt である。出発点から円まで 1 秒ごとの位置が薄い点で打たれ、点の間隔がすべて v で等しいことが等速の意味である。オレンジの矢印は速度の向きと大きさを表し、いちばん下の行には s = v × t の計算が書かれている。v-t の図には同じ速度の高さの水平線の下の長方形が塗られ、その面積を変位として読む。2 つの図は同じ速度と時間の値を使い、スライダーを変えると点・円・矢印・長方形がその値に合わせて描き直される。
往復の平均の速さを 2 つの速さの算術平均とする誤りがよくある。行きと帰りの速さが違えば遅いほうに時間が多くかかるので、平均の速さは総移動距離を総時間で割った値で、算術平均より小さい。途中で速度が変わる運動では、s = vt の 1 つの v に t を掛けることはできない。区間ごとに距離と時間を別々に求めてから最後に割る順序が安全である。
📊 v-t グラフの読み方
①v-t グラフが水平線なら等速運動である
②グラフの下の面積が変位である
③長方形の面積 = 底辺 t × 高さ v = vt = s である
④速度と時間のスライダーを変えると、このグラフも一緒に変わる
例題
距離を求める前に、速度が一定かどうかをまず見る。一定なら s = vt を使い、列車がトンネルを完全に抜ける時間を問われたら、移動距離をトンネルの長さと列車の長さの和としてから t = s/v で求める。列車の後ろの端までトンネルを出る必要があるので、列車の長さだけ余分に進まなければならないからである。距離を速さで割ってすぐに時間を求められるのは、速さが一定のときだけである。
例題 1
自動車が 20 m/s の一定の速度で 5 秒間走った。移動距離は?
1
速度が一定とあるので等速運動であり、s = vt が使える。
s = vt
2
v = 20 m/s、t = 5 s を代入する。
s = 20 × 5 = 100 m
▸ 100 m
速度 × 時間で距離を求められるのは、速度が一定のときだけである。
例題 2
ある人が同じ道を行きは 4 m/s、帰りは 6 m/s で歩いた。往復の平均の速さは?
1
平均の速さは総移動距離 ÷ 総時間である。片道の距離を d とおく。
t = d4 + d6 = 5d12
2
総距離 2d を総時間 5d/12 で割る。
v = 2d5d/12 = 245 = 4.8 m/s
▸ 4.8 m/s
平均の速さは 2 つの速さの算術平均 5 m/s ではない。遅い 4 m/s で歩く時間のほうが長いので、5 より小さい 4.8 m/s になる。