なぜ百万ドルの懸かった数学の七大難問は、AIの時代になっても解けないのか
AIは囲碁もタンパク質の折りたたみも解いたのに、一九〇〇年代から続く数学の難問七つはそのままだ。この七つは無作為ではなく、ちょうど百年の間隔で選ばれた一覧であり、AIが止まるのは、それらが計算ではなく証明を求めるからだ。
AIは囲碁の世界王者を破り、何十年も解けなかったタンパク質の折りたたみ問題まで解いた。ところが、一九〇〇年代から受け継がれてきた数学の難問は、いまだ手つかずのままだ。それぞれに百万ドルの賞金が懸かっているのに、である。世界で最も賢いとされる道具が、なぜこの七つの問題の前で立ち止まるのか。その答えを知るには、まずこの七つがどうして一堂に会したのかを見なければならない。
難しいから解けない、と答えるのは味気ない。もっと面白い事実がある。この七つは無作為に集められたのではなく、ちょうど百年の間隔を置いて意図的に選ばれた一覧なのだ。一九〇〇年、ある数学者が二十世紀が解くべき問題を発表し、ちょうど百年後の二〇〇〇年、ある研究所がその精神を受け継いで、二十一世紀のための七つの問題を新千年紀の記念として掲げた。だからこの難問の正体を理解することは、数学史の二つの場面をつなぐことに等しい。
だからこの七つは、単なる難問の寄せ集めではない。一世紀前に一人が引いた方向を、百年後の後進が受け継いで新たに束ねた、数学史の道標なのだ。AIが立ち止まる理由も、ここに表れる。これらの問題が求めるのは速い計算ではなく、新しい証明、すなわち誰もまだ思いついていない発想の飛躍だ。計算とは道を速く歩くことであり、証明とはなかった道を切り開くことである。
上:一九〇〇→二〇〇〇→二〇〇三、百年の継承の年表。下:七つの難問の分野と現在の状態。点とカードを押してみよう。
一九〇〇年のパリ、ダフィット・ヒルベルトは国際数学者会議で二十三の未解決問題を提示した。彼はこの一覧が来たる世紀の数学の方向を定めると信じ、実際、二十世紀の数学者たちはこれらと格闘して新たな分野を切り開いた。
ちょうど百年後の二〇〇〇年五月二十四日、同じパリのコレージュ・ド・フランスで、クレイ数学研究所がヒルベルトの講演百周年を記念してミレニアム七大難問を発表した。諮問委員会が世界の碩学と相談し、長く解けなかった最も重要な古典的問題を選んだ。問題ごとに百万ドル、合わせて七百万ドルの賞金が懸かり、解くのに時間制限はない。
興味深いことに、二つの一覧は一点で交わる。七つのうちの一つ、リーマン予想(一八五九年提起)は、百年前のヒルベルトの二十三問題にも入っていた、まさにその問題だ。一世紀を経てなお解けず、両方の一覧に名を連ねたのである。
では、なぜAIは解けないのか。要点は、これらの問題が答えを計算するのではなく、証明しなければならないものだという点にある。囲碁は場合の数を探索することであり、タンパク質の折りたたみは膨大なパターンを学ぶことだが、数学の証明とは、無限に多くの場合について「必ずそうなる」を隙なく論証することだ。どれほど多くの場合を確かめても、証明にはならない。しかも七つのうちの一つ、P対NP問題は、逆説的にも、機械が速く解ける問題の限界がどこまでかを問う問題である。その答えが出るまでは、AIの限界そのものがまだ未定なのだ。
これらの難問は、黒板の中だけにとどまらない。リーマン予想は素数の分布に関するものであり、素数は今日のインターネット暗号の土台だ。P対NPは、私たちが日々使う検索や物流や予定の最適化の根本的な限界を問い、ナビエ・ストークスは天気予報と飛行機の設計が立脚する流体の方程式である。最も抽象的に見える問題が、実は私たちが毎日頼って暮らす技術の最下層を支えている。だからそのうちの一つが解ける日は、ただ一人の数学者が百万ドルを受け取る日ではなく、世界のどこかの土台が新たに敷かれる日になるだろう。