理想気体の状態方程式 わかりやすく
理想気体では圧力と体積と温度が PV = nRT の一つに束ねられます。同じ二点をつないでも、等温・等圧・等積・断熱のどの過程かによって P-V 平面上の跡が変わります。一つの式が四筋の道を分けます。
体積と温度を動かすと圧力は P = nRTV で付き、三つの値はいつも PV = nRT を満たします。夏の日差しや高速道路の走行でタイヤが熱くなると体積はほぼそのままで温度が上がり圧力も一緒に高くなるのも、まさにこの関係です。熱くなった空気が同じ場所でより強く押します。
温度を固定すると圧力と体積の積が一定です。体積をドラッグすると点が反比例の曲線、つまり双曲線を描いて動き、これが等温過程の跡です。注射器の口を塞いでゆっくり押し体積を半分にすると圧力が二倍になるように、温度が一定のとき圧力と体積は互いに逆に動きます。
ボタンで二つの過程を見ると跡は単純です。等圧は圧力が固定なので横線、等積は体積が固定なので縦線で、最も単純な二つの跡です。密封した缶詰を火に投げると体積が固定されたまま温度だけ上がって圧力が跳ねる等積であり、自由に動くピストンの下の気体を温めると大気圧を保ちながら膨らむ等圧です。
断熱は熱をやり取りしないので PVγ が一定です。同じ点から出発しても断熱曲線は等温曲線より急で、膨張しながら温度まで下がるからです。山を登る空気が膨張して冷えて雲と雨を作るのも、スプレー缶を吹くときノズルが冷えるのも、熱が出入りする暇なく速く膨張して温度が下がる断熱です。
最後は一か所で四つの過程を重ねます。ボタンで等温・等圧・等積・断熱を切り替えると、同じ出発点から伸びる跡がそれぞれ違うのが一目で見え、曲線の下の面積が仕事だったので過程が違えば仕事も違います。次の章ではこのサイクルで働く熱機関と第 2 法則へ移ります。実際の自動車エンジンや冷蔵庫もこうした過程を輪のようにつないだ循環で回り、その閉じた輪が P-V 平面で囲む面積が一周でやり取りする正味の仕事になります。