カルノーサイクル わかりやすく
完全になれない機関に残る最善は、等温の二区間と断熱の二区間が続く循環です。カルノーはその効率を (η = 1 - TCTH) と書き、同じ二つの熱源の間にある実際の機関はこの値を超えません。温度だけで天井が決まるという点が、この循環の芯です。
高温側で熱をやりとりする区間は温度を固定したままとどまり、熱が出入りしない区間は交換なしに温度だけを移します。四つの区間をとてもゆっくり踏むと気体は平衡の近くにとどまり、摩擦と有限の温度差を抱えた実際の機関は、その遅い往復に完全には届きません。
効率は η = 1 - TCTH だけで決まり、作動する気体が何であっても同じです。800 K の蒸気で回し 300 K の環境へ熱を捨てる発電所の天井は 60 パーセント付近で、冷たい側を絶対零度まで下げられないので 100 パーセントには届きません。冷たい側を絶対零度まで下げられないことが、その天井を下に固定します。
可逆循環では QCQH = TCTH、すなわち QHTH = QCTC です。熱は温度に比例して出入りし、Q/T という商がそのまま保存され、その商が次の章でエントロピーという名前をもらいます。可逆な循環の中でその商が保存されることが、次の章でエントロピーと呼ばれる理由です。
実際の機関は天井の下にだけとどまり、それを超える機関があるなら逆向きの相手と組んで仕事なしに熱を冷たい側から熱い側へ運ぶ永久機関になり、第2法則を破ることになります。その不可能さが天井をその場に固定します。仕事なしに熱を冷たい側から熱い側へ運ぶ永久機関が立てないことが、天井をその場に固定します。
効率はただ TCTH にかかり、それは誰も超えられない天井で、等式 QHTH = QCTC は次の章の種であるエントロピーです。実務では天井を上げるため TH を材料が耐えるところまで高くし、ジェット機関や発電所が燃焼温度を押し上げる理由はまさにここにあります。材料が耐える限り燃焼温度を押し上げる理由は、この種に集まっています。