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単語帳
SC · 信号の基礎

システムの性質

システムは信号を受け取り別の信号に変える。その変換を線形 · 時不変 · 因果という独立した性質で分ける。最も重要な線形性が、すなわち重ね合わせであることを自分で確かめる。

二つの経路はいつ一致するか

二つの入力を先に足してシステムに一度通した結果(金)と、別々に通してから足した結果(青点線)を比べる。非線形の強さ ε を下げ、二つの経路がいつぴったり重なるか探せ。

先に足して通過 S{x₁+x₂}別々に通して足す S{x₁}+S{x₂}
非線形の強さ ε0.45
システムと重ね合わせの状態
S{x} = x + 0.45 x²
二つの入力が重なる区間で二つの経路が大きく開く。足す順序が結果を変えるので重ね合わせが崩れた。このシステムは非線形だ。
非線形

線形性は重ね合わせそのもの

線形システムは二つを守る。入力を a 倍すれば出力も a 倍になり(同次性)、二つの入力を足して入れれば出力も二つの出力の和になる(加法性)。二つを一行にまとめると S{a·x₁ + b·x₂} = a·S{x₁} + b·S{x₂}。だからどんな入力も部分の和として書けば、出力も同じ組み合わせの出力の和になる。非線形項(例: x²)が入ると交差項が生じてこの等式が崩れる。

観察S{a x₁ + b x₂} = a S{x₁} + b S{x₂}
線形 = スケールと和が保たれる。
選ぶx(t − t₀) → ?
時不変 = 遅れた入力は遅れた出力。
空欄y(t): x(τ), τ ?
因果 = 過去と現在だけ見る。
自分でy = x ?
LTI の出力は畳み込み。

時不変性、遅らせれば同じだけ遅れる

時不変システムは動作が時間とともに変わらない。だから入力を t₀ だけ遅らせると、出力も形そのままに t₀ だけ遅れるだけだ。式では x(t) → y(t) なら x(t − t₀) → y(t − t₀)。今日入れても明日入れても同じ応答が出るシステムだ。

因果性と LTI

因果システムは出力が現在と過去の入力だけに依存し、未来の入力は見ない。すなわち y(t) は x(τ), τ ≤ t だけで定まる。実時間で動くすべてのシステムは因果的だ。線形かつ時不変なシステムを LTI と呼び、LTI はインパルス応答一つで完全に定まり、出力は畳み込み y = x ∗ h で出る。次章全体がこの LTI の上に立つ。

最初の画面に戻ると

非線形の強さを 0 に下げたとき初めて二つの経路がぴったり重なった。先に足しても後で足しても同じというその一致こそ重ね合わせ、すなわち線形性だ。線形 · 時不変 · 因果はシステムに投げる互いに独立した三つの質問だ。和とスケールが保たれるか、遅らせれば同じだけ遅れるか、未来を見ないか。線形かつ時不変なら、そのシステムはインパルス応答一つで語り尽くせる LTI になる。

システムは三つの独立した性質で分ける。線形は重ね合わせが成り立つこと、すなわち S{a·x₁ + b·x₂} = a·S{x₁} + b·S{x₂}(同次性 + 加法性)。時不変は x(t) → y(t) のとき x(t − t₀) → y(t − t₀)、動作が時間で変わらないこと。因果は y(t) が x(τ), τ ≤ t だけに依存し未来を見ないこと。線形かつ時不変なら LTI で、インパルス応答 h 一つで出力が y = x ∗ h に定まる。
次の章へ

線形性と時不変性を一つのシステムが両方持つと LTI になり、ここから信号 · システムの本当の力が現れる。次章LTI と畳み込みでは、LTI をただ一つの信号、すなわちインパルス応答で完全に捉え、任意の入力に対する出力を畳み込みで計算する。今見た重ね合わせこそ、その計算を可能にする鍵だ。任意の入力をインパルスの和に分け、各インパルス応答を重ね合わせで足し戻すのが畳み込みだからだ。