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SC · LTI と畳み込み

ステップ応答

システムに単位ステップを入れたときに出てくる出力が、ステップ応答です。それがインパルス応答を累積積分したものであること、そして安定なシステムでは有限の最終値に落ち着くことを、自分で確かめます。

s は最終値に落ち着くか

上の図はインパルス応答 h(τ) = e^(−0.8τ) sin 3τ で、0 からスライド時刻 t までの緑の面積がその時刻のステップ応答 s(t) です。下の図がその s(t) の曲線です。t を大きくしていくと、s は山を越えてから下りてきて、破線の最終値 約 0.311 に落ち着きます。

インパルス応答 h(τ)
ステップ応答 s(t) = 累積面積最終値 s(∞)
時刻 t0.30
現在値と最終値
s(0.30) = 0.105 s(∞) = 0.311
まだ早い時刻なので、h の最初の山が積み上がって s が速く上がります。s は 0 から出発して t ≈ 0.6 ですでに最終値を越えますが、まだ止まる気配はなく、出力が落ち着き先を探している過渡の区間です。
整定前

ステップを入れるとインパルス応答が積もる

単位ステップ u(t) は、インパルスを左から t まで積み上げたものでした(A2)。システムが LTI なので、入力を積分すれば出力も積分で答え、ステップ応答はインパルス応答を同じように積み上げた s(t) = ∫₀ᵗ h(τ) dτ になります。画面の緑の面積が、時刻ごとにちょうどこの値を描いています。

観察s(t) = ∫ h(τ) dτ
ステップ応答はインパルス応答の累積。
選ぶh(t) = ?
ステップ応答を微分するとインパルス応答。
空欄s(∞) = ?
最終値は h の総面積。
自分でs = h ?
ステップ応答は h とステップの畳み込み。

s と h は積分·微分の対

積み上げることが積分なので、逆にステップ応答を微分するとインパルス応答が戻り、h(t) = ds/dt です。実務ではインパルスを正確につくるのは難しいものの、ステップは簡単につくれるので、ステップ応答を測って微分するやり方でインパルス応答を得ます。インパルスとステップが A2 で一組だったように、二つの応答も一組です。

最終値は DC ゲイン

安定なシステムでは h が 0 へ静まるので累積面積も止まり、s は有限の最終値に落ち着きます。その値 s(∞) = ∫₀^∞ h(τ) dτ は一定の入力(DC)に対する出力の大きさ、すなわち DC ゲインです。この図では ∫₀^∞ e^(−0.8τ) sin 3τ dτ = 3/(0.8² + 3²) ≈ 0.311 で、頂点の 0.446 はそれより約 43% 高いオーバーシュートです。立ち上がり時間 · オーバーシュート · 整定時間はどれもこのステップ応答から読む実務の指標で、制御の設計で改めて詳しく扱います。

最初の画面に戻ると

h の正の山が足されると s は速く上がって最終値を越え、続いて負の谷が足されて揺れ、h が 0 まで静まると落ち着きました。スライド時刻までの緑の面積が、どの瞬間にもぴったり s(t) でした。ステップ応答はインパルス応答を一度積分したもので、微分すれば h に戻り、落ち着いたその値が DC ゲインです。こうして一つのインパルス応答で、LTI システムの時間領域の絵が完成します。

ステップ応答 s(t) は、単位ステップ u(t) を入れたときに LTI システムが出す出力で、インパルス応答の累積積分である。s(t) = ∫₀ᵗ h(τ) dτ = (h ∗ u)(t) であり、逆に h(t) = ds/dt である。安定なシステムでは s は有限の最終値 s(∞) = ∫₀^∞ h(τ) dτ、すなわち DC ゲインに落ち着く。立ち上がり時間 · オーバーシュート · 整定時間は、どれも s から読み取る実務の指標である。
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ここまでで、LTI システムを時間領域で完全に描きました。インパルス応答一つと畳み込みがあればどんな入力の出力も分かりますが、畳み込みは手間がかかります。次の章フーリエでは、信号を正弦波の和と見る新しい見方を開きます。LTI システムに正弦波を入れると、同じ周波数の正弦波が大きさと位相だけを変えて出てくるので、時間領域の手間のかかる畳み込みが周波数領域の単純な掛け算に変わります。その出発点が次のユニットフーリエ級数です。