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SC · LTI と畳み込み

インパルス応答

LTI システムは、インパルス一つに対する応答さえ分かれば、すべてが分かります。その応答 h(t) がシステムの指紋であること、そしてインパルスを大きくしたり動かしたりすると応答もそのままついてくることを、自分で確かめます。

出力を目標応答に重ねる

赤い棒がシステムに入れるインパルスで、棒の高さがインパルスの大きさ a、棒の立つ場所が位置 t₀ です。そのインパルスがつくる出力が青い曲線で、インパルスが入った瞬間から揺れながら静まっていく形です。大きさ a と位置 t₀ を動かして出力 a·h(t − t₀) を金色の破線の目標の上にぴったり重ねると、出力も金色に変わります。

入力 a·δ(t−t₀)出力 a·h(t−t₀)目標
インパルスの大きさ a0.50
インパルスの位置 t₀-0.60
現在の出力
y(t) = 0.50 h(t + 0.60)
出力の大きさか位置が目標と違います。出力はいつも同じ形 h の写しなので、大きさ a と位置 t₀ の二つだけを合わせればよいのです。
大きくずれ

インパルス一つでシステムを叩く

幅が 0 で面積が 1 のインパルス δ(t) をシステムに一度入れたときに出てくる出力を、インパルス応答 h(t) と呼びます。鐘を一度打つとその鐘だけの響きが出るように、h(t) はそのシステムだけの反応で、だからシステムの指紋と呼ばれます。この画面の h(t) は 1.3e^(−1.1t) sin 2.6t のように揺れながら静まる信号で、インパルスが入る前は 0 なので因果的です。

大きさと位置はそのまま従う

システムが線形なので、インパルスを a 倍にすると応答も a 倍になり、時不変なので、インパルスを t₀ だけ遅らせると応答も形はそのままで t₀ だけ遅れます。二つを合わせると a·δ(t − t₀) → a·h(t − t₀) です。だから出力はいつも、同じ h の大きさと位置だけを変えた写しです。

観察δ(t) → h(t)
インパルスを入れるとインパルス応答が出る。
選ぶa δ(t) → ?
大きさは応答にそのまま掛かる。
空欄δ(t − t₀) → ?
遅れたインパルスは遅れた応答。
自分でa δ(t − t₀) → ?
大きさと位置を同時に適用する。

だから任意の入力も予測できる

どんな入力も細かく刻めば、大きさの違うインパルスが時刻ごとに並んだものと見ることができ、ふるい分け性質がそう見てよいことを保証します。システムが LTI なら、各インパルスは自分の場所に自分の大きさだけの h の写しを残し、全体の出力はこれらの写しをすべて足した重ね合わせです。この足し合わせが、まさに次のユニットの畳み込みです。

最初の画面に戻ると

目標の応答に重ねるのに必要な取っ手は、大きさ a と位置 t₀ の二つだけでした。出力の形には手を出せませんでしたが、それはその形がシステムの決まった指紋 h だからです。インパルスを大きくすれば応答が大きくなり、動かせば応答が動くだけで、形はいつも h です。この一つの h が分かれば LTI システムのすることはすべて分かり、次は任意の入力をインパルスに分けてこれらの応答を足す畳み込みです。

インパルス応答 h(t) は、インパルス δ(t) を入れたときに LTI システムが出す出力である。線形性と時不変性のおかげで a·δ(t − t₀) → a·h(t − t₀)、つまり出力は h の拡大 · 移動した写しである。だから h 一つが LTI システムを完全に決める。任意の入力に対する出力は、入力をつくるインパルスが残した h の写しの重ね合わせであり、これが畳み込みへとつながる。
次のユニットへ

インパルス応答は、LTI システムのすべてを収めた一つの信号です。次のユニット畳み込みの直観では、任意の入力をインパルスの列と見て、各インパルスが残した h の写しを重ねて滑らせながら足し、出力をつくります。いま見た a·h(t − t₀) の写し一つが、その和の一片です。畳み込みとは結局、このユニットの重ね合わせを連続的に行うことです。