周波数応答
どの周波数が通るか
上は同じ周波数の入力(薄)と出力(濃)の正弦波だ。出力は入力を |H| 倍にして ∠H だけずらしたものだ。下は大きさ応答 |H(ω)| 曲線で、点が現在の周波数だ。周波数を上げてみよう。低い周波数は通り、高い周波数は小さくなって後ろにずれる。
正弦波一つでシステムを問う
C4 で正弦波は LTI システムの固有関数だった。周波数 ω の正弦波を入れると同じ周波数の正弦波が出るが、大きさは |H(ω)| 倍になり位相は ∠H(ω) だけずれる。だから正弦波一つを入れて出た正弦波の振幅比を測れば |H(ω)|、位相差を測れば ∠H(ω) をその周波数で直接得る。すべての周波数でこう集めれば周波数応答 H(ω) 全体になる。
大きさは利得、位相は遅延
大きさ |H(ω)| は利得だ。1 より大きければその周波数を増やし、1 より小さければ減らす。位相 ∠H(ω) はその周波数がどれだけずれるかだ。負の位相は出力が遅れて出る遅延を意味する。この低域通過システムは低い周波数をほぼそのまま(利得 1、位相 0)通し、高い周波数ほど大きく減らし(利得 0 へ)より遅らせる(位相 −90 度へ)。
通過帯と遮断帯
大きさ応答の形がそのままフィルタの種類だ。|H| が 1 に近い周波数帯が通過帯、0 に近い帯が遮断帯だ。両者の境界は通常、大きさが 1/√2、すなわち −3dB に落ちる遮断周波数 ωc で取る。この点で出力電力が入力の半分なので半電力点とも呼ぶ。低域通過・高域通過・帯域通過はすべてこの通過帯がどこにあるかで分かれる。次のユニットはこの |H| を広い周波数範囲で読む対数の図だ。
最初の画面に戻ると
入力周波数を上げると出力正弦波がだんだん小さくなり後ろにずれた。小さくなった度合いが大きさ |H(ω)|、すなわち利得で、ずれた度合いが位相 ∠H(ω)、すなわち遅延だった。低い周波数はほぼそのまま通り(通過帯)、高い周波数はほぼ消え(遮断帯)、その間で大きさが 1/√2 に落ちる −3dB 点が遮断周波数だった。周波数応答はシステムがどの音を通しどの音を止めるかを記した一対の図、大きさと位相だ。
大きさ応答を普通の目盛りで描くと、通過帯の小さな差と遮断帯の急な減衰を一枚に収めにくい。次のユニットボード線図入門では大きさをデシベル、周波数を対数軸で描く。すると広い周波数範囲が一目で入り、1次システムの減衰が 10 倍周波数ごとに −20dB の直線にまっすぐ伸びる。曲線だった応答が数本の直線断片に単純化するのがボード線図の力だ。