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SC · フーリエ

周波数応答

周波数応答 H(ω) には、システムが周波数ごとに何をするかが書かれています。大きさ |H(ω)| はどれだけ大きくしたり小さくしたりするかを表す利得で、位相 ∠H(ω) はどれだけ遅らせるかを表し、正弦波を一つ入れて出てくる正弦波を見ながら、この二つを直接読み取ります。

どの周波数が通るか

上の図は同じ周波数の入力(薄い色)と出力(金色)の正弦波で、出力は入力を |H| 倍にして ∠H だけずらしたものです。下の図は一次ローパスシステムの大きさ応答 |H(ω)| の曲線で、点がいまの周波数です。周波数を上げると、低い周波数はほとんどそのまま通り、遮断周波数 ωc = 2 を越えたあたりから出力が小さくなり、後ろへずれていきます。

入力正弦波出力 |H| 倍·∠H ずれ
大きさ応答 |H(ω)|遮断 ωc · −3dB
入力周波数 ω4.00
利得と位相
|H| = 0.45 ∠H = -63°
出力が入力の半分より小さくなりました。この周波数はシステムが止める阻止域の側にあり、周波数を上げるほど利得 |H| は 0 に近づき、位相は −90° までずれていきます。
遮断

正弦波一つでシステムを問う

C4 で、正弦波は LTI システムの固有関数でした。周波数 ω の正弦波を入れると同じ周波数の正弦波が出てきますが、大きさは |H(ω)| 倍になり、位相は ∠H(ω) だけずれます。だから正弦波を一つ入れて、出てきた正弦波の振幅比を測ればその周波数の |H(ω)| が、位相差を測れば ∠H(ω) が直接得られます。すべての周波数でこうして集めれば、周波数応答 H(ω) の全体になります。

観察cos(ωt) → |H| cos(ωt + ∠H)
正弦波入力 → 同じ周波数、|H| 倍·∠H ずれ。
選ぶローパス |H(0)| = ?
ローパスは DC で利得 1。
空欄ωc で: |H| = ?
遮断点で大きさは 1/√2。
自分で高い ω: ∠H → ?
一次ローパスの高周波での位相は −90°。

大きさは利得、位相は遅延

大きさ |H(ω)| は利得なので、1 より大きければその周波数を大きくし、1 より小さければ小さくします。位相 ∠H(ω) はその周波数がどれだけずれるかを表し、負の位相は出力が遅れて出てくる遅延を意味します。この画面の一次ローパスシステムは |H(ω)| = 1/√(1 + (ω/2)²)、∠H(ω) = −arctan(ω/2) なので、低い周波数は利得 1 · 位相 0 に近い形で通し、高い周波数ほど利得は 0 に、位相は −90° に近づきます。

通過帯と遮断帯

大きさ応答の形が、そのままフィルタの種類です。|H| が 1 に近い周波数の区間が通過域、0 に近い区間が阻止域で、二つの境目はふつう大きさが 1/√2、つまり −3dB に下がる遮断周波数 ωc とします。この点では出力電力が入力の半分なので、半電力点とも呼びます。ローパス · ハイパス · バンドパスは、どれも通過域がどこにあるかで分かれ、次のユニットはこの |H| を広い周波数範囲で読む対数の図です。

最初の画面に戻ると

入力の周波数を上げると、出力の正弦波はだんだん小さくなり、後ろへずれました。小さくなった度合いが大きさ |H(ω)|、つまり利得で、ずれた度合いが位相 ∠H(ω)、つまり遅延でした。低い周波数はほぼそのまま通り(通過域)、高い周波数は大きく小さくなり(阻止域)、その間で大きさが 1/√2 に下がる −3dB の点が、ωc = 2 の遮断周波数でした。周波数応答とは、システムがどの周波数を通し、どの周波数を止めるかを、大きさと位相の二枚に書いた絵です。

周波数応答 H(ω) = FT{h} は、LTI システムが周波数ごとにすることである。大きさ |H(ω)| は利得(大きくするか小さくするか)、位相 ∠H(ω) は位相の移動(遅延)である。周波数 ω の正弦波入力は同じ周波数の正弦波の出力になるが、大きさは |H(ω)| 倍、位相は ∠H(ω) だけずれる(固有関数)。|H| が 1 に近い所が通過域、0 に近い所が阻止域、1/√2(−3dB)に下がる所が遮断周波数 ωc(半電力点)である。
次のユニットへ

大きさ応答を普通の目盛りで描くと、通過域の小さな違いと阻止域の急な減衰を一枚の図に収めるのが難しくなります。次のユニットボード線図入門では、大きさをデシベルで、周波数を対数軸で描きます。すると広い周波数範囲が一目で見渡せ、一次システムの減衰が周波数 10 倍ごとに −20dB の直線にまっすぐ伸びます。曲線だった応答が何本かの直線に単純化されるのが、ボード線図の力です。