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SC · フーリエ

フーリエ変換

周期信号の離散スペクトルで周期を限りなく伸ばすと線が連続スペクトルに溶け込み、それがフーリエ変換です。矩形パルスを狭くするほどそのスペクトルが広がる、時間と周波数の逆数の関係を自分で確かめます。

パルスを狭めるとスペクトルが広がる

上の図は幅 T の矩形パルスで、下の図はそのフーリエ変換である sinc スペクトルです。金色の破線が合わせるべき目標のスペクトルで、パルス幅 T を動かして青い sinc を目標に重ねます。時間でパルスを狭めると周波数で sinc が広がり、目標は T = 1.4 のときの形です。

矩形パルス x(t)
スペクトル X(ω) = sinc目標スペクトル
パルス幅 T2.60
パルス幅と第一ゼロ
T = 2.60 ω = 2π/T = 2.42
パルス幅が目標と違うので、sinc の幅もずれています。時間の幅と周波数の幅は互いに逆数なので、パルスを狭めるとスペクトルが広がります。
幅ずれ

周期を限りなく伸ばすと

フーリエ級数の高調波は ω₀ = 2π/T の間隔で離れています。周期 T を大きくするとこの間隔が狭まり、T を限りなく伸ばして信号が一度だけ起きる非周期信号になると、間隔は 0 になって消えます。すると別々に立っていた線がすき間のない連続スペクトル X(ω) にまとまり、離散和 Σ が積分 ∫ に変わるこの極限がフーリエ変換です。

観察X(ω) = ∫ x(t) e−jωt dt
分析は e−jωt を掛けて積分。
選ぶx(t) = (1/2π) ∫ X(ω) ? dω
合成は符号が +jωt の逆変換。
空欄狭いパルス → ?
狭いパルスは広いスペクトル。
自分でΔt · Δω ?
時間幅かける周波数幅はほぼ一定。

狭いほど広い

矩形パルスの変換は sinc 関数です。パルス幅が T なら sinc の最初の零点は ω = 2π/T に来るので、パルスを狭めるほど(T が小さくなるほど)零点は遠ざかり、主な山は広がります。短い信号ほど、多くの周波数が集まらないとその速い変化をつくれないからです。時間の幅と周波数の幅は積がほぼ一定の逆数の関係で、これが信号の不確定性原理です。図では山の高さを 1 にそろえて幅だけを比べられるようにしましたが、実際の変換の山の高さはパルスの面積 T と同じです。

変換と逆変換

分析は時間信号から周波数ごとの量を測ることで X(ω) = ∫ x(t) e^(−jωt) dt、合成はその周波数成分を集め直して時間信号をつくることで x(t) = (1/2π) ∫ X(ω) e^(+jωt) dω です。指数の符号が違うだけで二つは完全な一組なので、どちらの領域から始めても反対側へ渡れます。次のユニットでは、この変換が従う規則を集めて計算の道具にします。

最初の画面に戻ると

パルスを広げると sinc は狭まり、狭めると sinc は広がり、二つの幅の積はほぼそのままでした。時間と周波数が逆数で結ばれているからで、最初の零点はいつも ω = 2π/T にありました。一度だけ起きる非周期信号は、いくつかの高調波ではなく、すべての周波数にわたる連続スペクトルをもちます。その連続スペクトルを積分で読み書きするのがフーリエ変換で、フーリエ級数の周期を限りなく伸ばした極限です。

フーリエ変換 X(ω) = ∫ x(t) e−jωt dt は非周期信号を連続スペクトルへ移し、逆変換は x(t) = (1/2π) ∫ X(ω) e+jωt dω である。これはフーリエ級数の周期無限大の極限で、高調波の線が連続体に溶け込んだものである。矩形パルスは sinc に変換され、幅 T のパルスの最初の零点は ω = 2π/T である。時間で狭めれば周波数で広がる(逆数 · 不確定性、Δt·Δω ≳ 定数)。
次のユニットへ

変換を毎回積分で求めるのは手間がかかります。次のユニットフーリエ変換の性質では、変換が従う規則、つまり線形性、時間移動が位相に与える影響、時間スケールが周波数スケールに与える逆数の効果、そして何より時間領域の畳み込みが周波数領域の掛け算になるという性質を集めます。この性質一つで LTI システムの出力の計算が掛け算に簡単になり、B 章の畳み込みと C 章の周波数がここで出会います。