フーリエ級数
倍音を足して矩形波を作る
金色の点線が目標の矩形波だ。青い曲線は奇数倍音をいくつか足した部分和で、下は各倍音の強さだ。倍音の項数を増やし、部分和が矩形波にどれだけ近づくか見よ。
周期信号は倍音の和
周期 T の信号は基本周波数 ω₀ = 2π/T とその整数倍 2ω₀, 3ω₀, … の正弦波だけからなる。この整数倍成分を倍音と呼ぶ。だからどんな周期信号も定数項たす倍音の和として書ける。音楽の和音のように、基本音と倍音が集まって一つの波形を成す。
項を足すほど近づく
部分和は最初の数倍音だけを足した近似だ。項を増やすと高い周波数の倍音が急な変化を埋め、縁が鋭くなる。矩形波は奇数倍音だけを持ち、k 番目の倍音の強さは 4/kπ で、周波数が高いほど小さい。ただし不連続のある信号では、跳びの近くのオーバーシュートが項を増やしても約 9% で消えない。これがギブス現象だ。
係数は各倍音の強さ
各倍音の前に付く数、すなわちフーリエ係数がその倍音をどれだけ混ぜるかを決める。矩形波は偶奇対称(A4)で奇関数なのでコサインなしにサインだけが出て、偶数倍音は 0 だ。この係数を周波数に沿って並べると、その信号のスペクトルになる。時間領域の一つの波形が周波数領域の数本の棒に変わるわけで、それが次のユニットの主題だ。
最初の画面に戻ると
項が一つのとき部分和は孤独な正弦が一つで矩形波から遠かった。奇数倍音を足すと縁が急になり頂が平らになって矩形波に近づき、不連続点には消えない小さなギブスの耳が残った。下の棒は各倍音の強さ 4/kπ で、周波数が高いほど短かった。周期信号を倍音に分けるこの分解がフーリエ級数で、その棒を周波数軸に立てた図がスペクトルだ。
倍音ごとに強さがあると見たので、次はその強さ自体を図にする番だ。次のユニットスペクトルでは、時間軸の波形の代わりに、周波数軸の上に各倍音の大きさを棒で立てる。すると矩形波は奇数周波数だけに立つ数本の棒に見える。同じ信号を時間で見るか周波数で見るか、二つの図が一対を成すフーリエの核心がそこで開く。