基本信号
積分上限を掃いてステップを積む
真ん中の細い長方形のパルスは幅 0.5、高さ 2 で、面積が 1 のインパルスの近似です。スライダーで積分の上限 t を右へ動かすと、パルスの下の面積が金色で満ちていき、その累積値がぼんやりした破線の目標のステップに沿って上がります。
インパルスは面積 1 の一点
インパルス δ(t) は、幅を 0 に縮めて高さを限りなく大きくしながら、面積を 1 に保った極限です。そのため値ではなく面積で定義します。ほかの信号に掛けて積分すると、その信号の一点の値だけを取り出し、これをふるい分け性質と呼びます。
ステップはインパルスの累積
単位ステップ u(t) は t < 0 で 0、t ≥ 0 で 1 です。これはインパルスを左端から t まで積分した値とまったく同じです。逆にステップを微分すると、跳ぶ瞬間にだけ立つインパルスになるので、積分と微分が二つを一組に結んでいるわけです。
指数は変化率が自分自身
指数信号 eᵃᵗ は導関数が自分自身の a 倍なので、a の符号が運命を分けます。a > 0 なら際限なく大きくなり、a < 0 なら 0 へ静まり、a = 0 なら定数のままです。添えた小さな図の赤は a = 0.95、青は a = −0.95 で、線形時不変システムの自然応答はいつもこの指数の形で現れます。
最初の画面に戻ると
スライダーが掃き上げた累積面積が、そのままステップでした。上限がインパルスを通る間に面積が 0 から 1 へ満ちてステップの跳びを描き、通り過ぎると 1 にとどまりました。インパルスとステップは一回の積分でつながった一組で、指数は変化率が自分自身に比例する三つ目の文字です。この三つが、これからあらゆる信号を組み立てるれんがになります。
インパルスは次の章の主役です。インパルス応答はシステムにインパルスを一つ入れたときの出力で、そこから畳み込みが、あらゆる入力に対する出力をインパルス応答で計算する道を開きます。指数はラプラスやフーリエでシステムを解くための試験信号になります。次のユニット信号の演算では、信号を時間軸の上でずらしたり伸ばしたりする方法を身につけます。