ボード線図入門
折れ点を目標コーナーに合わせる
上の図は大きさをデシベルで描いたボード線図のゲイン線図で、青い曲線が実際の応答、金色の直線が漸近線です。下の図は位相線図です。コーナー周波数 ωc を動かして折れ目を破線の目標 ωc = 4 に合わせればよく、対数軸なのでコーナーより上では −20 dB/dec、つまり周波数が 10 倍になるたびに 20 dB ずつ下がるまっすぐな直線が見えます。
デシベルと対数軸
ボード線図は、大きさを 20 log₁₀|H| のデシベルで、周波数を対数軸で描きます。対数を使うと積が和になるので、何段も直列につないだシステムのデシベルの大きさは、そのまま足せばよいのです。また 0.1 から 1000 までのような広い周波数範囲が一枚の図に均等に収まり、掛け算で絡み合い広がっていた応答が、足し算と直線の世界へ移されるわけです。
曲線が直線になる
一次ローパスの大きさを dB と対数軸で描くと、二本の直線に伸びます。コーナー ωc より下では 0 dB の水平線、上では周波数が 10 倍になるたびに 20 dB ずつ下がる −20 dB/dec の直線です。二本の直線はコーナーで出会い、実際の曲線はその点で 3 dB 下にあるので、コーナー周波数をいくつか知るだけで、応答全体を直線の切れ端でスケッチできます。二次システムなら傾きは −40 dB/dec で、二倍急になります。
位相も一緒に読む
ボード線図は、大きさと位相の二枚で一組です。一次ローパスの位相は、コーナーよりずっと低い周波数で 0°、コーナーで −45°、ずっと高い周波数で −90° となり、コーナーを中心に二ディケードほどにわたってなめらかに下がります。大きさのコーナーと位相の −45° が同じ ωc で起きるので、システムがどの周波数をどれだけ小さくし、どれだけ遅らせるかが二枚の図から一目で読めます。次のユニットでは、このゲイン線図から帯域幅とフィルタの種類を直接読み取ります。
最初の画面に戻ると
コーナー周波数を動かすたびに、折れ目が対数軸に沿って滑りました。コーナーより下はいつも平らな 0 dB、上はいつも −20 dB/dec のまっすぐな直線で、二本はコーナーで出会い、実際の曲線はその場所で 3 dB だけ下にありました。位相は同じコーナーを中心に、0° から −90° へ曲がりました。ボード線図の力は、曲線だった周波数応答をいくつかのコーナーと直線の切れ端に変え、広い周波数範囲を手でも描けるようにすることにあります。
ボードのゲイン線図が読めるようになったので、次はその図から実務で使う数値を取り出す番です。次のユニット帯域幅とフィルタリングでは、通過域の幅、つまり −3 dB までの帯域幅をコーナーから直接読み、ローパス · ハイパス · バンドパス · バンドストップの四つのフィルタをゲイン線図の形で見分けます。信号のスペクトルにフィルタの応答を掛ければ、どの周波数が生き残るかが決まり、C4 の「畳み込みは掛け算」という性質が、ここでフィルタ設計の実戦の道具になります。