電圧降下·電力損失: 電圧を上げれば損失が減る
送電電圧をドラッグして損失を見る
同じ電力を同じ線路で送ります。ハンドルをドラッグして送電電圧を上げると、電流のバーは 1/V で減りますが、損失のバーは 1/V² なのでずっと急に縮み、電圧を 2 倍にすれば電流は半分、損失は 4 分の 1 になります。
電流が流れると電圧が下がる
電流が線路 Z = R + jX を流れると、送電端より受電端の電圧が低くなります。一相の近似電圧降下は e ≈ I(R cosφ + X sinφ) なので、電流だけでなく負荷の力率にも左右され、高圧線は X が大きいので遅れ力率では X sinφ の項が降下を大きくします。受電端の電圧が下がりすぎると機器がきちんと動かないため、電圧降下は送電でいつも見張られる量です。
損失は電流の二乗
線路抵抗が食う電力損失は、三相で P_loss = 3 I²R です。鍵は電流の二乗だという点で、電流が少し減るだけで損失はその二乗だけ大きく減り、電流が増えれば損失は急に跳ね上がります。だから電力を遠くへ送るとき損失を抑える道は、何よりも電流そのものを減らすことです。
電圧を上げれば電流が減る
同じ電力 P = √3 V_L I_L cosφ を送るとき電流は I = P/(√3 V cosφ) なので、電圧に反比例します。そのため電圧を上げると電圧降下は 1/V で減り、損失は電流の二乗なので 1/V² で減って、電圧を 2 倍にすれば損失は 4 分の 1 になります。送電端電圧に対する割合でみると、電圧降下率も 1/V² で小さくなります。発電所から遠くへ送るほど超高圧に昇圧するのはまさにこのためで、力率改善(B2)も同じ電力で電流を減らすので損失をいっしょに下げます。
最初の画面に戻ると
電圧を引き上げると電流のバーは 1/V で減りましたが、損失のバーは 1/V² なのでずっと急に崩れました。同じ電力を送りながら電流だけを減らせば損失はその二乗で減るからで、電圧降下も電流に比例していっしょに小さくなりました。送電電圧を数十万ボルトの超高圧に引き上げることも、力率を改善して無効電流を減らすことも、結局は同じこと、線路を流れる電流を減らして損失を抑えることです。
電圧降下は負荷が変わるといっしょに揺れます。夜中の軽い負荷では受電端の電圧が高く、昼間の重い負荷ではぐっと下がるので、次のユニット(PW-C4)では 電圧調整 を調べます。変圧器のタップを切り替えたり、コンデンサやリアクトルのような調相設備で無効電力を調整したりして、負荷がどう変わっても受電端の電圧を決められた範囲に保つ方法をたどります。