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単語帳
PW-B4 · 電力·力率

電力測定: 電力計二つで三相を読む

三相電力は電圧計·電流計だけでは足りず、位相も見ねばならない。ところが単相電力計二つで十分だ。電流の位相を直接引いて二つの計器値がどう分かれるかを見て、その和が常に全有効電力になる理由をつかむ。

電流の位相を引いて二つの計器を見る

左の電流の矢印を引いて電圧との位相差φを変えよう。右の二本の棒が電力計W1, W2だ。棒は別々に動くが、その和(金色)は常に全有効電力 P = √3 V_L I_L cosφ だ。φが60°を超えるとW1が負に反転する。

電流の矢印を引いて位相φを調整。
二つの電力計とその和(V_L I_L = 1 基準)
W1 + W2 = 1.39 = P
W1 ≈ 0.39 W2 ≈ 0.99 cosφ ≈ 0.80

なぜ三つでなく二つか

ブロンデルの定理によれば、n本の電線で伝わる電力はn−1個の電力計で完全に測れる。一本を電圧基準にすればその線の電力計は0になり外せるからだ。三相三線はn=3なので電力計二つで十分。二つの電流コイルを二線に、二つの電圧コイルをそれぞれ残る三本目の線に繋ぐ。

和は常に全有効電力

結線の幾何のため、各電力計は線間電圧と線電流の積を30°ずれた位相で見る。W1 = V_L I_L cos(30°+φ)、W2 = V_L I_L cos(30°−φ)だ。二つを足すと cos(30°+φ)+cos(30°−φ) = 2 cos30° cosφ = √3 cosφ となり、和は正確に √3 V_L I_L cosφ — A3で見た全有効電力だ。個々の値には30°とφが絡んでいても、和ではPだけが綺麗に残る。

観察P = W1 + W2
全有効電力は二つの計器値の和。
選ぶcos(30°+φ) + cos(30°−φ) = 2 cos30° ?
cos(30°+φ)+cos(30°−φ)は2 cos30°にcosφ。
空欄2 cos30° = ?
2 cos30°は√3。
自分でW1 + W2 = ? = P
だから和は √3 VL IL cosφ = P。

差は無効、負は信号

二つを引くと cos(30°−φ)−cos(30°+φ) = 2 sin30° sinφ = sinφ となり、√3(W2−W1) = √3 V_L I_L sinφ = Q だ。だから二つの計器値だけで有効Pと無効Q、さらに力率まで一緒に得られる。力率が0.5より低いと30°+φが90°を超えてcosが負になり、W1の針が逆に回る。このとき電圧端子を入れ替えて読んだ値を引けば和が合う — 負は故障ではなく低力率の信号だ。

最初の画面に戻ると

電流を引いて位相φを大きくするとW1とW2が別々に動き、φが60°を超えるとW1が負に反転した。それでも二つの和(金色)は毎瞬間 √3 V_L I_L cosφ、すなわちA3の全有効電力のままだった。30°という結線の角が二つの値に入って互いの位相を補い、和では綺麗に消える。三本目の線に計器を付けずに三相電力を完全に読める理由だ。

二電力計法 — 三相三線電力は単相電力計二つで測る(ブロンデルの定理: n線 → n−1計器)。各計器は VL IL cos(30°∓φ) を読み、和 W1+W2 = √3 VL IL cosφ = P(全有効電力)だ。差 √3(W2−W1) = Q。力率が0.5未満ならW1がになり、二つの値で有効·無効·力率を全て得る。
次の一歩

ここでセクションB(電力·力率)が終わる。ここまでは負荷側で電力を見たが、次のセクションCではその電力が発電所から負荷まで行く道を見る。最初のユニット(PW-C1)は送電線を抵抗とリアクタンスで模型化する。電線が単なる導線ではなくインピーダンスを持つ通路だと見て、電圧降下と損失がどこで生じるかの土台を置く。