負荷·需要率: 和ではなく重なりが決める
二つのピークをずらしてドラッグする
二つの負荷の一日の曲線が描かれています。ハンドルをドラッグして二つめの負荷のピーク時刻を動かすと、二つのピークが重なるときは金色の合成曲線が二倍まで跳ね上がり、時刻がずれるほど合成の最大は下がります。設備はまさにこの合成の最大に合わせてつくります。
和で造ると大き過ぎる
あるマンションのすべての世帯が定格電力を同時に使うとしたら、変圧器はとてつもなく大きくなければなりません。しかし実際にはだれかが寝ているあいだにだれかが料理をし、ピークは一日のうちに散らばります。そのため設備は定格の合計ではなく、実際に同時に現れる合成最大需要に合わせます。
不等率 · ピークがずれた度合い
不等率 = 個々の最大需要の和 / 合成最大需要 です。ピークが完全に重なれば合成は和と等しく不等率は 1 で、時刻がずれるほど合成は小さくなり、不等率は 1 より大きくなります。不等率が大きいということはそれだけ変圧器を小さくしてよいということで、ドラッグした曲線で合成ピークが下がるほど不等率が上がったのもそのためです。ピークの高さが同じ二つの負荷なら、完全にずれたときに不等率が最も大きくなり、2 に近づきます。
需要率と負荷率 · 残り二つ
一つの需要家も設備容量を一度にすべて使うわけではなく、その比が需要率 = 最大需要 / 設備容量 ≤ 1 です。使い方が一日を通してどれだけ均一かは負荷率 = 平均需要 / 最大需要 で測り、負荷率が 1 に近いほど設備は遊ばずにむだなく使われます。需要率・不等率・負荷率の三つがそろって、設備を定格の合計よりずっと小さく効率よく見積もれるようになります。
最初の画面に戻ると
二つのピークを重ねたとき合成は二倍(不等率 1)で、時刻をずらすほど合成の最大は下がり、不等率は大きくなりました。設備が耐えなければならないのは和ではなく、まさにこの合成最大需要です。不等率・需要率・負荷率はどれも、定格の合計と実際に同時に使う量とのあいだの距離を違う角度から測った比で、その距離のおかげで変圧器を合計より小さく、それでいて足りなくならないように選べます。
電力の大きさと比を手にしたので、次のユニット(PW-B4)ではその電力を どう測るか を調べます。三相電力は電圧計と電流計だけでは足りず、位相もいっしょに見なければなりません。中性線のない三相 3 線式の電力を単相電力計二台で測る 2 電力計法 で、二つの計器の値の和がそのまま全体の有効電力になる理由をたどります。