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単語帳
MC-C1 · 回転磁界

三相電流と回転磁界

誘導機は動く部品なしに磁界を回す。時間的にずれた三相電流と空間的に開いた三相巻線が、どうやって一つの回転磁界を織るか、合成磁界の性質を自分で押さえる。

三つの脈動磁束を足すと何になるか

空間的に120°離れた三つの巻線に、時間的に120°ずれた三相電流が流れる。各巻線は自分の軸に沿って磁束を脈動させるだけだ。この三つのベクトル和がどんな姿か選ぼう。アニメーションが答えを見せる。

位相 ωt30°
スライダーで位相 ωt をスクラブしよう。色のベクトル三つ = 各相(一つが増えると別の一つが減る)、金 = 合成。薄い円 = 合成の大きさ。
合成磁界(位相をスクラブ)
|B| = 1.5 Bm · θ = 30°
位相を動かすと三相電流は絶えず変わるが、合成ベクトルの大きさは最大値の1.5倍で常に一定、方向だけ一定に回る。先端がゆがみのない完全な円(薄い円)を描くのがその証拠だ。これが動く部品なしに生じる回転磁界だ。

単相は脈動するだけ

単相巻線に交流が流れると、磁束は一軸に沿って最大値から0、反対の最大値へと脈動するだけで回らない。これを交番磁界という。交番磁界は同じ大きさで互いに逆向きに回る二つの回転磁界の和に分解される。だから単相誘導機は自分から一方へ回る理由がなく、別の始動装置が要る。

観察b₁ ∝ cos ωt
単相磁束は一軸に沿って時間で脈動する。

三つ集まると回転する

空間的に120°離れた三つの巻線に、時間的に120°ずれた三相電流を流す。各瞬間に三つの磁束ベクトルを足すと、合成ベクトルの大きさは常に最大値の1.5倍で一定、方向だけ回転する。電流が時間上一歩進むと合成磁界も空間上その分回る。電流の時間位相がそのまま磁界の空間角度になるのだ。二相の接続を入れ替える(相順を変える)と回転方向が反転する。

選ぶ|B| = ?
三相合成磁界の大きさは最大値の1.5倍で一定。

回転速度は同期速度

電流が一周期を回る間、最も単純な2極巻線では回転磁界がちょうど一回転する。極数Pを増やすと磁界パターンが密になり、一周期に回る角が減って回転速度もその分減る。毎分回転数で書くと同期速度 Ns = 120f / P [rpm] だ。電気角と機械角の関係では θ_e = (P/2) θ_m。60 Hz で2極は3600、4極は1800、6極は1200 rpm で回る。

空欄Ns = 120f / ?
同期速度は周波数を極数で割って決まる。
自分でθe = ?
電気角は極対数倍の機械角だ。

最初の画面に戻ると

三つの脈動磁束の和は、大きさが一定で回転する一つの磁界だった。各相は自分の軸で脈動するだけだが、時間で120°ずれた三つを空間で120°開いて足すと、脈動分は互いに打ち消し回転分だけが残り、最大値の1.5倍の大きさで回る。動く部品一つなしに電流の時間位相が磁界の空間角度になる。その回転速度が同期速度 Ns = 120f/P で、二相を入れ替えると方向が反転する。この回転磁界が次のユニットで回転子を引っ張り、誘導機の原理になる。

回転磁界:空間的に120°離れた三相巻線に時間的に120°ずれた三相電流を流すと、三つの脈動磁束の和が大きさ1.5倍一定で回る一つの回転磁界になる。回転速度は同期速度 Ns = 120f / P [rpm]、電気角と機械角は θe = (P/2) θm。二相を入れ替える(相順変更)と回転方向が反転する。
この回転をつかむと

回転磁界は誘導機のエンジンだ。固定子が作るこの回転磁界の中に回転子を置くと、回転子は磁界を追おうとするが決して同期速度に追いつけない。その遅れこそがすべりで、すべりがあってこそ回転子に電流が誘導されトルクが生じる。次のユニットは回転磁界と回転子の速度差から誘導機の原理とすべりを導く(MC-C2)。