効率と電圧変動率
効率はどの負荷で最大か
グラフの水平線が負荷に関係しない鉄損(1 kW)、放物線が負荷の二乗で育つ銅損(定格で 4 kW)です。スライダーで負荷率を動かすと二つの損失曲線の上の点がいっしょに動き、二つの曲線が交わる負荷には金色の点線(ηmax)が立っています。その負荷で効率がなぜいちばん高いのか、それがこの課の問いです。
固定損と可変損
鉄損は分路の励磁枝で生じます。電圧と周波数が決まれば磁束が決まり、その磁束が決めるヒステリシス損と渦電流損は負荷が 0 でも生じるので、負荷に関係しない固定損です。銅損は直列の枝の巻線抵抗で負荷電流の二乗に比例して生じ、負荷率 m では定格銅損の m² 倍になります。鉄損を減らすには薄いけい素鋼板を重ねて渦電流の道を断つかアモルファス鉄心を使い、銅損を減らすには太い導線を使います。
効率が頂点に届く条件
効率は、出力を出力と損失の和で割った値です。負荷率 m で η = mScosφ / (mScosφ + Pfe + m²Pcu) です。m で微分して 0 になる点を解くと Pfe = m²Pcu、つまり固定損と可変損が等しくなる条件が出てきて、整理すると最大効率の負荷率は m = √(Pfe / Pcu) です。図の値では、定格の半分の負荷がその点になります。
電圧変動率は直列降下から
負荷電流が直列インピーダンスを通ると、負荷側の電圧が無負荷のときより下がります。この変化の割合が電圧変動率で、近似式は ε ≈ p cosφ + q sinφ です。ここで p は百分率抵抗降下、q は百分率リアクタンス降下です。遅れ力率(誘導性負荷)では電圧が下がって変動率は正になり、進み力率(容量性負荷)では電圧がかえって上がって負になることもあります。
最初の画面に戻ると
効率が頂点に届いたのは、二つの損失曲線が交わる負荷でした。鉄損は水平で負荷に関係せず、銅損は負荷の二乗で育ってある負荷で鉄損と等しくなり、まさにその点で出力に対する損失が最小になって効率が最大になります。負荷率で書くと m = √(Pfe / Pcu)、つまり可変損と固定損が等しくなる負荷です。配電用変圧器は一日の大半を軽い負荷で運転するので、鉄損を小さくつくってこの頂点を定格より軽い負荷の側に置き、一日のエネルギーで見た全日効率を高めます。一方、同じ直列インピーダンスでの電圧降下は電圧変動率 ε ≈ p cosφ + q sinφ として表れます。
ここまでが磁気回路と変圧器だ。磁気オームの法則で磁束を読み(A1)、そこにたまるエネルギーを見て(A2)、巻数比で電圧と電流を入れ替え(A3)、非理想性を等価回路に収め(A4)、損失から性能を計算した(A5)。次のグループBは同じ磁気回路の上で回転を作る直流機だ。整流子が交流を直流に変える原理から始める。