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MC-B3 · 直流電動機のトルクと速度

直流電動機のトルクと速度

回る電機子は電動機でも発電し、その逆起電力が供給電圧に逆らって速度を決めます。界磁磁束を変えながら速度がどちらへ向かうかを見て、直観と逆の結果を自分で確かめます。

界磁磁束を弱めると速度はどこへ向かうか

棒の図のように逆起電力 Eb = kΦN が端子電圧 V とほぼ釣り合っているので、速度は N = (V - IaRa)/(kΦ) で決まります。磁束のスライダーを下げる前に、下で速度がどうなるかを先に選んでおくと、Φ が分母にあることから答えを前もって見当をつけられます。直観と式が食い違うその結果が、この課の問いです。

界磁磁束 ΦΦ = 1.00
スライダーで磁束を連続的に変える。曲線 = 速度 N。
逆起電力の釣り合いが定める速度
N = (V - IaRa)/(kΦ) = 1500 rpm
磁束を減らすと遅くなりそうですが、逆です。逆起電力 Eb = kΦN はほぼ一定の端子電圧に逆らわなければならないので、Φ が小さくなれば N が大きくならないと釣り合いません。
Φ を下げると N は?
ずれている

逆起電力は電流を制限するかんぬき

電動機の電機子も磁束の中で回って発電します。この逆起電力 Eb = kΦN は供給電圧に逆らうので、電機子電流は Ia = (V - Eb)/Ra で決まり、逆起電力が大きいほど電流は小さくなります。始動の瞬間は N = 0 なので Eb = 0 となり、電流が V/Ra と非常に大きくなるため、大きな電動機は始動抵抗や下げた電圧で最初の電流を抑えます。逆起電力は電流をせき止めるかんぬきのようなものです。

観察Eb = kΦN
逆起電力は磁束と速度の積に比例する。
選ぶIa = (V - Eb) / ?
電機子電流は、残りの電圧を電機子抵抗で割った値である。

トルクは磁束と電流の積

磁束の中の導体に電流が流れると力 F = BIl を受け、電機子のすべての導体が受けるトルクを足し合わせると T = kΦIa になります。負荷が大きくなると速度が少し下がり、その分だけ逆起電力が減って Ia = (V - Eb)/Ra が増え、トルクもそれにつれて大きくなって新しい釣り合いに達します。別に調整しなくても電動機が負荷に合わせて動くこの性質は、逆起電力のおかげです。

自分でT = ?
トルクは磁束と電機子電流の積に比例する。

速度を握る三つのつまみ

N = (V - IaRa)/(kΦ) には取っ手が三つあります。界磁制御は Φ を減らして速度を定格より上げ(定出力、高速)、電圧制御は V を下げて速度を定格より下で幅広く下げ(定トルク)、抵抗制御は電機子に直列抵抗を入れて速度を下げますが、その抵抗での損失が大きく効率が悪くなります。三つとも、同じ一つの式のどの項に手を触れるかの違いです。ただし分巻電動機の界磁回路が切れると Φ がほとんど消えて速度が危険なほど跳ね上がるので、界磁回路にはヒューズや遮断器を別に入れません。

空欄N = (V - IaRa) / ?
速度は逆起電力を磁束で割った形をしている。

最初の画面に戻ると

磁束を減らしたら速度が上がったのは、逆起電力 Eb = kΦN がほぼ一定の端子電圧に逆らって釣り合わなければならないからです。分母の Φ が小さくなると、釣り合いが取り戻されるのはもっと大きな N です。同じ式 N = (V - IaRa)/(kΦ) で V を下げれば速度は下がり、直列抵抗で IaRa を大きくしても下がります。トルクは T = kΦIa で磁束と電流の積であり、負荷が変わると逆起電力が変わって電流がそれに従うので、トルクが合わせられます。図では IaRa を一定にしていますが、実際に同じトルクを出すには、Φ が減った分だけ電機子電流が大きくならなければならないことも覚えておくとよいでしょう。

直流電動機:回る電機子の逆起電力 Eb = kΦN が端子電圧に逆らい、電機子電流は Ia = (V - Eb)/Ra、速度は N = (V - IaRa)/(kΦ)、トルクは T = kΦIa。Φ が分母にあり界磁を弱めると速度が上がる。速度制御は同じ式の V・Φ・R の三つのつまみだ。
この釣り合いをつかむと

逆起電力の釣り合いは、直流電動機が見せるすべての特性の根っこです。界磁を直列につなぐか並列につなぐかで Φ と Ia の関係が変わり、直巻 · 分巻 · 複巻のそれぞれ異なるトルク-速度曲線が生まれます。次の課では、同じ機械を発電機として回したときの外部特性と電圧の確立を扱います(MC-B4)。そこでも出発点は Eb = kΦN です。