直流発電機の自己励磁と外部特性
電圧はどこで止まり、いつまったく立たないか
残留磁気が作る小さな電圧が界磁電流を流して磁束を育て、その磁束が電圧をさらに育てる。この帰還は磁化曲線と界磁抵抗線(V = Rf·If)が出会う点で止まる。界磁抵抗スライダーを上げてみよう。どの傾きを超えると交点が消え、電圧が立たないか。
種は残留磁気
磁極の鉄心には一度磁化された痕跡である残留磁束が残る。発電機を回すとこの残留磁束が電機子に小さな残留電圧を起こす。分巻界磁が電機子に並列につながっていれば、この電圧が界磁巻線に小さな電流を流し、その電流が磁束を育てて電圧をさらに上げる。外部電源なしに自らを起こす正帰還だ。ただし界磁の接続が残留磁束を強める向きでなければならず、逆なら電圧はむしろ崩れる。
帰還が止まる所、臨界抵抗
電圧が上がると界磁電流も増えるが、鉄心が飽和すると磁化曲線が曲がり電圧はもう比例して上がらない。一方、界磁抵抗線 V = Rf·If は真っ直ぐな直線だ。帰還は両線の交点で止まる。界磁抵抗を大きくして直線を立てると交点は膝の下へ下がり、直線が磁化曲線の初期の傾きより急になると交点は残留点だけになり電圧が立たない。この限界の傾きが臨界界磁抵抗だ。
負荷をかけると — 励磁方式ごとの外部特性
負荷電流が流れると端子電圧は Vt = E - IaRa で、電機子抵抗降下と電機子反作用の分だけ下がる。他励は界磁が別なのでこの二つで少し下がるだけだ。分巻は端子電圧が下がると自己励磁の界磁電流も減って磁束がさらに抜け、より急に下がる。直巻は負荷電流がそのまま界磁なので最初は電圧が上がり、やがて飽和と反作用で折れる。複巻は直巻枝を加えて分巻の垂下を埋め、負荷にほぼ平坦(平複巻)か少し上昇(過複巻)に合わせられる。
最初の画面に戻ると
電圧が立たなかったのは、界磁抵抗線が磁化曲線の初期の傾きより急で、両者が残留点でしか出会わなかったときだ。残留磁気が種となって正帰還を回すが、その帰還は飽和で曲がった磁化曲線と真っ直ぐな界磁抵抗線の交点で止まる。界磁抵抗が臨界値より小さいときだけ交点が膝の上の高い所にでき、電圧が確立する。そうして立てた電圧は負荷をかけると Vt = E - IaRa で、励磁方式により他励はわずか、分巻はより大きく、直巻・複巻はそれぞれ違う形で変わる。発電機の電圧は、最初に立てることも負荷で守ることも、ともに磁化曲線の上で読まれる。
ここまでが直流機だ。整流子が交流を直流に裏返し(B1)、電機子反作用が中性軸を押し(B2)、逆起電力が電動機の速度とトルクを定め(B3)、自己励磁が発電機の電圧を立てた(B4)。すべて一つの磁気回路の上で回る一台の機械だった。次のグループCは回転そのものを磁場から作る誘導機だ。三相電流がどう回転する磁場を織るか、その回転磁界から始める。