境界面の反射と透過
入射角を上げて全反射を見る
密な媒質(下)から疎な媒質(上)へ光が進む。入射角を上げると屈折光(緑)はだんだん境界面に寝そべり、反射光(ゴールド)はだんだん強くなる。ある角を超えると屈折光が消え、光はまるごと跳ね返る。その臨界角がどこかを探せ。
境界で光が分かれる
光が空気からガラスへ、あるいは水から空気へと、二つの媒質の境界に届くと、一筋が二筋に分かれる。一部は跳ね返る反射光になり、一部は折れて入る屈折光になる。二つの光が分け合うエネルギーの和は、もとの光のエネルギーに等しい。鏡が像を映し、窓ガラスに自分の姿がうっすら映るのはこの反射のためで、水中のストローが折れて見えるのは屈折のためだ。
屈折率と遅くなる光
光は真空で最も速いが、媒質の中では遅くなる。どれだけ遅くなるかを表すのが屈折率 n で、媒質中の速さは v = c/n だ。ガラスの屈折率は約 1.5 なので、光はガラスの中を c の三分の二の速さで進む。非磁性の媒質では n は誘電率から √ε_r で決まる。振動数はそのままだが速さが落ちるので波長が短くなる。光が媒質ごとに違って遅くなるこの差こそ、光が折れる理由だ。
スネルの法則
屈折角はスネルの法則 n₁ sinθ₁ = n₂ sinθ₂ に従う。光が密な媒質(大きい n)から疎な媒質(小さい n)へ行くと法線から遠ざかるように折れ、逆なら法線の方へ折れる。反射はもっと単純で、反射角は常に入射角に等しい(θ_r = θ₁)。なぜこんな規則になるのか。境界面の上で入射波と透過波の山が歩調を合わせねばならないからだ。媒質ごとに波長が違うので、山の間隔を合わせるには角度がちょうどスネルの法則どおりに変わらねばならない。
全反射
密な媒質から疎な媒質へ行くとき、入射角を上げると屈折角はそれより速く大きくなり、先に 90° に達する。その瞬間の入射角が臨界角 θ_c で、sinθ_c = n₂/n₁ だ。入射角が臨界角を超えると、スネルの法則は sinθ₂ > 1 を要求するが、そんな角はない。だから光はまったく透過できず、すべて反射する。これが全反射だ。光ファイバーが光を閉じ込めて遠くへ送ること、ダイヤモンドが輝くこと、砂漠の蜃気楼はみな全反射のおかげだ。
最初の画面に戻ると
最初の画面で入射角を上げるほど屈折光(緑)は境界面の方へだんだん寝そべり、ある角を超えると跡形もなく消え、光はまるごと反射光(ゴールド)になって戻った。その角が臨界角 θ_c、すなわち sinθ_c = n₂/n₁ を満たす角だ。それより小さい角ではスネルの法則 n₁ sinθ₁ = n₂ sinθ₂ が屈折角を定め、反射角は常に入射角に等しかった。光が媒質ごとに違う速さで走るから、境界で分かれて折れるのだ。
ここまで光は自由に広がる波だった。次(EM-26)からは電磁波を二つの導体の間に閉じ込めて一方向へ送る伝送線路を扱う。ケーブルの中で電圧と電流が波として走り、特性インピーダンスという新しい量が現れる。高周波信号が回路をどう通るかへ入る。