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EM-24 · 電磁波

偏波とポインティングベクトル

電磁波はエネルギーを進む向きに運び、その流れを測る量がポインティングベクトル S = E×B/μ₀ です。一方、電場がどの向きに揺れるかを偏波といいます。偏波角を回しても磁場はいつも電場に垂直で、エネルギーはいつも前へ同じ量だけ流れることを確かめます。

偏波を回してエネルギーの流れを見る

電磁波が前へ進む図です。スライダーで偏波角を回すと水色の電場の揺れる向きが変わり、金色の磁場はいつもそれに垂直なまま一緒に回ります。ところが緑の矢印、つまりエネルギーの流れ S = E×B は、偏波をどう回してもいつも前を指し、大きさも変わりません。揺れる向きは変わるのに流れが変わらないのはなぜか、それがこの課の問いです。

偏波角 ψψ = 35°
ドラッグで視点が回り、スライダーで偏波角 ψ を変えます。
エネルギー流と偏波
S = E×B/μ₀ · エネルギーは常に進行方向へ流れる
偏波は E が揺れる向き、B は常にそれに垂直
偏波角 ψ 35° · 進行方向 +x · ⟨S⟩ 一定(偏波によらず)

波が運ぶエネルギー

電磁波は何もない空間をただ揺れながら通り過ぎるのではなく、エネルギーを運びます。電場に蓄えられたエネルギー密度は ½ε₀E²、磁場に蓄えられたものは B²/2μ₀ で、平面波では B = E/c なので二つの値はちょうど等しくなります。電気と磁気がエネルギーを等しく分け合っているわけで、合わせると u = ε₀E² です。日光が肌を温め、太陽電池が電気を作るのは、どちらもこのエネルギーが運ばれてくるからです。電磁波はエネルギーとともに運動量も運ぶので、光は当たった面をごく弱く押します。宇宙で広い膜にこの圧力を受けて進む太陽帆は、まさにこの力を使っています。

自分でu = ?
電場と磁場がエネルギーを等しく分け合う。

ポインティングベクトル、エネルギーの流れ

エネルギーがどこへどれだけ流れるかは、ポインティングベクトル S = E×B/μ₀ で表されます。単位面積を 1 秒間に通るエネルギー、つまり仕事率の密度で、向きは E と B の両方に垂直な進む向き、大きさは |S| = EB/μ₀ = E²/μ₀c です。E が正弦波で揺れるので、ある一点で S は cos² の形で脈打ち、一周期で平均すると強度 I = ⟨S⟩ = ½ε₀cE₀² になります。振幅が二倍になれば強度は四倍になるわけです。光の明るさ、アンテナが送り出す出力、レーザーの強さを測るときに使う量がまさにこれです。

観察S = (E×B)μ₀
ポインティングベクトルはエネルギーが流れる向きと量を表す。
選ぶ|S| = ?
その大きさは電場の二乗に比例する。
空欄I = ?
時間平均の強度は振幅の二乗の半分に比例する。

偏波、E が揺れる向き

進む向きに垂直な平面の中で、電場がどちらへ揺れるかが偏波です。一つの向きだけに揺れれば直線偏波で、電場の先端が円や楕円を描いて回れば円偏波や楕円偏波といいます。日光はあらゆる向きが混ざった無偏波ですが、水面やぬれた道路で反射した光は水平に揺れる成分が多くなり、偏光サングラスはまさにその水平成分をさえぎってまぶしさを減らします。液晶画面、写真のフィルター、3D 映画のめがねもみな偏波を使い、アンテナも偏波が合っていないと信号を十分に受けられないので、垂直偏波に合わせたアンテナは水平偏波の信号をうまく受けられません。偏波は振動数や強さとは別に、光が持つもう一つの情報です。

偏波が違ってもエネルギーは前へ

最初の画面で見たのがまさにこれです。偏波角をどう回しても磁場はいつも電場に垂直なので、二つの外積 E×B はいつも進む向きを指します。そのうえ |E×B| は二つの大きさの積なので、偏波角には関係しません。だからエネルギーの流れ S は、偏波を回しても向きも大きさも変わりません。偏波は光がどう振動するかを決めますが、エネルギーがどこへ行くかは決められず、振動の向きを選ぶ自由と決まった流れの向きが一つの波の中に同居しています。

最初の画面に戻ると

最初の画面で偏波角を回す間、電場と磁場は一緒に回りましたが二つの間の直角は一度も崩れず、緑の矢印 S = E×B はいつも前を同じ大きさで指していました。偏波は平面の中で E の向きを選ぶ自由であり、ポインティングベクトルはその自由と関係なく、エネルギーを進む向きへ運ぶ流れです。光はどう振動しても自分のエネルギーをまっすぐ前へ送り、その強度が私たちの感じる明るさです。I = ½ε₀cE₀²。

ポインティングベクトル S = E×B/μ₀ は、電磁波が単位面積を 1 秒間に通って運ぶエネルギー、つまりエネルギーの流れです。向きは進む向き(E と B の両方に垂直)、大きさは E²/μ₀c で、時間平均の強度は I = ½ε₀cE₀² です。偏波は、進む向きに垂直な平面の中で電場が揺れる向きです。偏波を回しても B はいつも E に垂直なので、S は向きも大きさも変わりません。
次へ続く道

ここまで光は何もない空間を自由に走ってきました。次の課(EM-25)では、光が性質の違う物質との境界面に出会ったときを扱います。一部は反射し、一部は屈折して透過し、その割合と角度は二つの物質の屈折率と入ってくる角度、偏波で決まります。鏡が映し、レンズが光を曲げるのはそのためです。