電位と等電位面
等電位の殻を選んで V を読む
中央の金色の点が点電荷で、まわりの薄い球が等電位の殻です。スライダーで殻を一つ選ぶとその殻が明るくなり、表示器にその上の電位が出ます。同じ殻の上ではどこでも電位が同じで、殻を外側へ移すほど電位は低くなります。矢印で描いた電場が殻をどんな角度で横切るかも、あわせて見えます。
電位、単位電荷あたりのエネルギー
電場の中で電荷を動かすには仕事が要ります。電位はその仕事を電荷量で割った値、つまり単位電荷あたりの位置エネルギーで、単位はボルト(V)です。ふつうは無限に遠いところを基準(V=0)にとります。正の点電荷のまわりでは V = kQ/r なので、近いほど高く、遠いほど 0 に近づきます。負の点電荷なら符号が逆で、近いほど低くなります。電位は大きさだけをもつスカラー場です(EM-02)。
等電位面、V が同じ面
電位の等しい点を結ぶと等電位面になります。点電荷のまわりでは同じ距離にある点、つまり同じ中心をもつ球面です。同じ等電位面の上では、どこへ動いても電位が変わらないので、電場は仕事をしません。登山地図の等高線と同じで、同じ高さに沿って歩けば上り下りはありません。
E は等電位面に垂直、下り坂
電場はいつも等電位面を垂直に横切ります。もし斜めなら、面に沿う成分が生まれ、その成分に逆らって面の上で電荷を動かすと仕事が要り、電位が変わってしまいます。等電位面という定義と食い違うので、E はちょうど垂直です。向きは電位がいちばん速く下がる方向、つまり高い電位から低い電位へ下る向きです。等高線に直角に転がり落ちるボールを思い浮かべるとよいでしょう。
V は 1/r、E は 1/r²
点電荷では、電位は 1/r で、電場は 1/r² で小さくなります。電場のほうが速く弱まるわけですが、これは偶然ではありません。電場は、電位が距離とともに変わる割合、つまり傾きだからです。ある方向に電位が急に下がるほど、その向きの電場は強くなります。そのため、同じ電位差ごとに描いた等電位面は、電荷の近くで密に、遠ざかるほどまばらになります。この関係を正確に書くと E = -∇V で、負の符号は下り坂の向きを表します。次のユニットで、この勾配という道具を身につけます。
最初の画面に戻ると
最初の画面で、スライダーで等電位の殻を外側へ移すほど、電位は 1/r に従って低くなりました。一つの殻の上では電位がどこでも同じなので、その面に沿っては仕事が要りません。電場の矢印はいつも殻を直角に突き抜け、高い V(内側)から低い V(外側)へ向かっていました。電位は大きさだけのスカラー場ですが、その傾きがベクトル場である電場を決めます。
電場は電位の傾きであるという関係 E = -∇V を、次のユニット(EM-09 勾配)で正確に扱います。勾配は、スカラー場からいちばん急な上り坂の向きとその傾きを取り出す道具です。逆に、電位は電場を経路に沿って積分して得られます。スカラー場 V とベクトル場 E は、こうして微分と積分で行き来します。