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EM-09 · 静電界の道具道具を装着

勾配

勾配は、スカラー場からいちばん急な上り坂の向きとその傾きを、一つのベクトルとして取り出します。試験方向を回しながら、勾配と平行なときに上り坂がいちばん急になることを見て、電場がその逆を向くことを確かめます(E = -∇V)。

いちばん急な上り坂を探す

斜めに傾いた平面は、高さが電位を表す地形で、明るい水色の線は電位の等しい等電位線です。スライダーで試験の矢印を回すと、その向きに進むときの上り坂の傾きが、最大に対する百分率で表示器に出ます。金色の矢印の向きにそろえるといちばん急で、等電位線に沿って進むと傾きは消えます。

試験方向 αα = 110°
ドラッグで回転し、スライダーで試験方向 α を変えます。
この方向の上り
∇V = (∂V/∂x, ∂V/∂y, ∂V/∂z)
E = −∇V · 電場は勾配を下りに反転したもの
この方向の変化率(最大比) · 22%
等高線沿い · 上り 0

勾配、最も急な上り

スカラー場は各点に数を一つ与えます(EM-02·EM-08)。勾配 ∇V はその数がいちばん速く大きくなる向きを指し、矢印の長さはその向きの傾きの大きさです。丘の地形でいちばん急に登る方向を矢印一本で表したもので、スカラー場一つからベクトル場が一つ生まれます。

観察∇V = (∂V/∂x, ∂V/∂y, ∂V/∂z)
勾配は、各軸方向の変化率を集めたベクトルです。

方向微分、内積で

ある向き û に進むときに電位が変わる割合を、方向微分といいます。その値は勾配とその向きの単位ベクトルの内積 ∇V·û で、EM-05 で見た内積と同じ原理です。û が ∇V と平行ならなす角の cos が 1 なので最大、直角なら 0 です。真逆に進めば、いちばん急な下り坂になります。そのため、等電位線に沿えば変化率は 0、勾配の真正面に進めば最大で、その最大の変化率の大きさがまさに |∇V| です。

選ぶdV/ds = ∇V · ?
ある向きの変化率は、勾配とその向きの単位ベクトルの内積です。
空欄(dV/ds)max = ?
勾配と平行なとき変化率が最大で、その大きさが |∇V| です。

等電位面と直角

変化率が 0 の向きが等電位線なので、勾配はいつも等電位面に垂直です(EM-08 で見たとおり)。地形の等高線といちばん急な上り坂が直角に交わるのと同じです。そのため勾配一つに、向き、つまり等電位面の法線と、大きさ、つまり傾きが一緒に入っています。

E = -∇V、スカラーからベクトルへ

電場は電位がいちばん速く下がる向きを指すので、勾配のちょうど逆向きです。E = -∇V。負の符号が上り坂を下り坂に反転させます。この一行が、スカラー場である電位から、ベクトル場である電場をまるごと取り出します。電位一つさえわかれば、電場の三つの成分を微分で得られるわけで、逆に電場を経路に沿って積分すれば電位に戻ります。

自分でE = ?
電場は、電位の勾配と逆向きです。

最初の画面に戻ると

最初の画面で試験の矢印を回すと、上り坂の傾きは向きごとに違いました。等電位線に沿うときは 0 で、勾配と平行なときにいちばん大きくなりました。その最大の向きと大きさを一緒に収めたのが勾配 ∇V で、方向微分 ∇V·û はそのことを余弦一つで書き表します。電場はこの勾配を下り坂へ反転させた E = -∇V なので、いつも等電位面に垂直だったのです。

勾配 ∇V は、スカラー場 V からいちばん急な上り坂の向きとその傾きの大きさを一つのベクトルとして取り出します。成分は各軸の偏微分 (∂V/∂x, ∂V/∂y, ∂V/∂z) です。ある向き û の変化率は内積 ∇V·û で、û が ∇V と平行なとき最大(=|∇V|)です。勾配は等電位面に垂直で、電場はその逆の E = -∇V です。
道具を装着この道具を装着すると

勾配は、スカラー場からベクトル場を取り出す道具です。この道具を身につけると、電位から電場 E = -∇V をすぐに得られ(EM-08 の回収)、ポテンシャルのあるあらゆる問題で場を微分によって求められます。発散 ∇·(EM-07)、回転 ∇×(EM-16)とともにナブラ演算子 ∇ の三つの使い方をなし、マクスウェル方程式の微分形を支えます。