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EM-01 · 静電界の道具道具を装着

座標系と微小要素

空間をどんな形のかけらに細かく分けるかで、積分は易しくもなり難しくもなります。対称性に合う座標系を選び、その座標系の微小なかけら、つまり微小体積を使う方法を身につけます。

空間のかけらにぴったり合う微小体積を選ぶ

金色のかけらは、球の一部を切り出した空間です。ドラッグしていろいろな向きに回しながら、三つの座標系の微小なかけらを順に重ねてみると、この金色のかけらをすき間なく埋めるのは一つだけです。

ドラッグで回転し、タブで座標系を切り替えます。
選んだ座標系の微小体積
dV = dx · dy · dz
まっすぐな辺三本でできた箱です。三辺とも座標の増分そのままなので、スケール因子はありません。
ずれている

直交座標、まっすぐな立方体

三本の軸は互いに直角で、目盛りの間隔はどこでも同じです。そのため微小体積は三辺をそのまま掛けた値で、曲がった辺が一つもないので、スケール因子はすべて 1 です。

観察dV = dx dy dz
直交座標の三辺は、そのまま掛けます。

円筒座標、角度が弧になる

円柱座標では、同じ角度 dφ でも軸から遠いほど、つまり ρ が大きいほど長い距離を掃きます。そのため φ 方向の辺の長さは dφ ではなく ρ dφ です。角度を長さに変えるこの ρ がスケール因子で、残りの二辺 dρ と dz はまっすぐなままです。

観察dV = dρ ρ dφ dz
角度方向の辺だけが ρ を掛けて長さになります。
選ぶdV = dρ (?) dz
角度方向の辺だけが ρ を掛けて長さになります。

球座標、弧が二つ

球座標には曲がった辺が二本あります。経線に沿う辺は半径 r の円の弧なので、長さは r dθ です。緯線に沿う辺は、半径が r ではなく r sinθ の小さな円の弧なので r sinθ dφ です。緯線の円は極に近いほど小さくなるからです。二つのスケール因子を掛けると r² sinθ になり、半径方向の辺 dr はまっすぐなままです。

選ぶdV = dr (?) ( ? )
経線の弧の半径は r、つまり球の半径そのものです。
空欄dV = dr (r dθ) (?)
緯線の弧の半径は r sinθ で、極に近いほど小さくなります。
自分でdV = ? dr dθ dφ
二つのスケール因子を集めると r² sinθ になります。

面積要素も同じ理屈

半径 r の球面上の小さなかけらの面積も、同じやり方で求めます。二つの弧を掛けると dA = r² sinθ dθ dφ です。この先のユニットで出会うガウスの法則の面積分は、まさにこのかけらを球面全体で足し合わせる作業です。

最初の画面に戻ると

金色のかけらをすき間なく埋めたのは、球座標の微小体積でした。三つの辺(dr, r dθ, r sinθ dφ)が、かけらの対称性と同じ向きに伸びるからです。直交座標の箱は曲面についていけずにずれ、円柱座標のくさびは上下の面が平らで球面とずれました。座標系を選ぶとは、結局、微小なかけらの形を問題の対称性に合わせることです。

微小体積要素は三つの辺の長さの積です。まっすぐな辺は座標の増分そのままですが、曲がった辺はスケール因子を掛けて弧の長さになります。直交 dV = dx dy dz、円柱 dV = ρ dρ dφ dz、球 dV = r² sinθ dr dθ dφ。
道具を装着この道具を装着すると

座標系と微小要素は、あらゆる場の積分の取っ手です。この道具を身につけると、次のユニットが解けるようになります。スカラー場とベクトル場(EM-02)、電束と発散(EM-05)、ガウスの法則の面積分(EM-06)は、どれもここで選んだ微小なかけらの上で計算されます。