静電容量
間隔を狭めて容量を上げる
スライダーで平行板コンデンサの極板間隔を狭めてみよう。静電容量はどう変わるか。板の間を誘電体で満たすとさらにどう変わるか。
静電容量とは
二つの導体を近づけ、一方に + 電荷、他方に − 電荷を与えると、間に電場と電位差 V が生じる。同じ電圧でどれだけの電荷 Q を蓄えられるかが静電容量 C だ。C = Q/V、単位はファラド(F)。C が大きいほど同じ電圧で多くの電荷を蓄える。このような導体の対をコンデンサという。
平行板、C = εA/d
最も単純なコンデンサは、面積 A の二枚の平行板を間隔 d で向かい合わせたものだ。板の間の電場はほぼ均一で E = V/d。ガウスの法則で解くと静電容量は C = εA/d になる。板が広いほど(A↑)電荷を多く受け、間隔が狭いほど(d↓)同じ電圧で電場が強まり、より多くの電荷を蓄える。だから C は蓄えた電荷や電圧ではなく幾何が決める。
誘電体で容量を上げる
板の間を誘電体で満たすと静電容量が ε_r 倍になる(EM-10)。同じ電荷でも誘電体の分極が電場を ε_r 倍弱め、電位差 V がその分減るからだ。C = Q/V で V が小さくなるので C は大きくなる。式では ε = ε_r ε₀ を入れて C = ε_r ε₀ A/d、すなわち真空の ε_r 倍だ。だから実際のコンデンサは薄くて誘電率の高い膜を挟んで容量を上げる。
蓄えられるエネルギー
コンデンサを充電するには電荷を一方の板から他方へ押し上げねばならず、その仕事がエネルギーとして蓄えられる。蓄積エネルギーは U = ½CV² = ½QV = Q²/(2C) だ。最初は電位差が小さく電荷を楽に運べるが、たまるほど V が増えて難しくなるので、平均で半分(½)になる。このエネルギーは実は板の間の電場の中にある。次のユニットで場のエネルギーとして見直す。
最初の画面に戻ると
最初の画面で極板間隔 d を狭めると静電容量が大きくなった(C ∝ 1/d)。同じ電圧でも狭い隙間では電場が強まり、より多くの電荷を引き寄せるからだ。誘電体を挟むと容量がもう一段 ε_r 倍跳ねた。分極が電場を弱め、同じ電荷で電位差が減るためだ。静電容量を決めるのは蓄えた電荷や電圧ではなく、面積・間隔・誘電率、すなわち幾何と物質だ。C = εA/d。
コンデンサに蓄えられたエネルギー U = ½CV² は、実は極板間を満たす電場の中にある。次のユニット(EM-12 静電エネルギー)でこれを場のエネルギー密度 u = ½ε E² として見直す。エネルギーが電荷に付くのではなく空間の場に広がっているという見方が、電磁波(EM-23 以降)へつながる。