ツェナーダイオード: 揺れる入力から平らな出力
入力を上げても出力が止まる点を探す
横軸は入力電圧、縦軸は出力電圧だ。入力を上げると最初は出力もそのまま追って上がる。だがある電圧を過ぎるとツェナーが降伏し、出力が平らになる。
逆方向降伏、わざと逆に
B1では逆方向のダイオードはほとんど流れなかった。だが逆方向電圧を十分高くすると、ある点で突然大きな電流が流れ始める。普通のダイオードなら壊れかねないが、ツェナーダイオードはまさにその降伏領域で安全に動くように作られる。わざと逆に使うダイオードというわけだ。
なぜ電圧が固定されるか
降伏領域の逆方向曲線はほぼ垂直だ。電流が小さくても大きくても、両端の電圧は降伏電圧Vz付近でほとんど変わらない。つまりツェナーは流れる電流によらず一定の電圧を出す電圧源のように見える。曲線の傾きが作るごく小さな動抵抗rzだけが、残るわずかな変動を決める。
定電圧回路、シャント方式
入力と負荷の間に直列抵抗を一つ入れ、負荷と並列にツェナーを置く。直列抵抗が入力とVzの差を引き受け、その差だけ電圧を落とす。入力が揺れても負荷が変わっても、ツェナーは受ける電流を自ら増減して出力をVzに保つ。これが最も単純な定電圧回路で、基準電圧を作る所ならどこでも使われる。
最初の画面に戻ると
入力が低いときは出力が対角線に沿ってそのまま上がった。だが降伏電圧を過ぎた瞬間に曲線が折れて平らになり、その後は入力をいくら上げても出力はVzにとどまった。その平らな線こそ定電圧だ。ほぼ垂直な降伏曲線のおかげで電流が大きく変わっても電圧はほぼそのままで、直列抵抗が入力の変動を引き受け、負荷には平らなVzだけを伝える。B1の逆方向領域がこうして最も単純な電圧基準の道具になる。
次へつながる流れ
これまではダイオード一つの使い方を見た。次のユニットではダイオード四つを橋のように組み、交流の負の半周期まで反転させて正にする全波整流を見る。そしてコンデンサでそのでこぼこの脈動を滑らかな直流に平滑する。B1の整流とB3の安定を合わせれば、電源の前段が完成する。