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E2 · op-amp

利得帯域幅積: 利得と速さは引き換え

理想の演算増幅器は利得が無限だが、本物はそうではない。閉ループ利得を自分で下げ、利得を減らした分だけ帯域幅が広がり、その積が常に一定に保たれるのを見る。

閉ループ利得を下げて帯域が広がるのを見る

薄く下がる直線は周波数とともに落ちる開ループ利得だ。太い線はフィードバックで決めた閉ループ利得で、平らからその直線に出会う所で折れて一緒に落ちる。その折れる点が帯域幅だ。閉ループ利得を下げてみよう。

閉ループ利得 AclAcl × 355
利得 · 帯域幅 · その積
Acl ×355 fc = 2.8 kHz
GBW = Acl × fc = 1.00 MHz (const)
閉ループ利得が高い。平らな線が早く開ループ利得に出会い折れ、帯域幅が狭い。この増幅器は遅い。
高利得 · 狭帯域

無限利得は偽り、利得は落ちる

理想の演算増幅器は利得が無限と学んだが、実際の素子は違う。低い周波数では開ループ利得が非常に大きいが(よく十万倍前後)、ある低い優勢周波数を超えると周波数が10倍上がるごとに利得が-20 dB、すなわち10分の1に落ちる。横軸を対数で描くボード線図では、開ループ利得は平らからやがて一定の傾きで斜めに下がる直線になる。この直線が利得1、すなわち0 dBと出会う周波数が単位利得周波数だ。

閉ループ利得を下げると帯域が広がる

フィードバックをかけると閉ループ利得は私たちが選んだ低い値に平らにとどまる。だが周波数が上がりその平らな線が斜めに下がる開ループ利得の直線に出会うと、もうその利得を保つ術がなく、そこから一緒に落ちる。その出会う点の周波数こそ閉ループ増幅器の帯域幅だ。だから閉ループ利得を下げると平らな線がより低い所に置かれ、開ループ直線をより右、より高い周波数で出会い、帯域幅がその分広がる。

利得 × 帯域 = 一定 = GBW

開ループ利得の直線の傾きが一定なので、閉ループ利得とその帯域幅の積はどこで切っても常に同じ値だ。その値こそ開ループ利得が1に落ちる単位利得周波数で、これを利得帯域幅積GBWと呼ぶ。GBWは素子が生まれ持つ固定スペックだ。だから大きな利得を望めば狭い帯域を、広い帯域を望めば小さな利得を受け入れねばならない。一つの増幅器で両方は上げられず、もっと要るなら段を分けて積むかGBWの大きな素子を使う。

観察GBW = Acl fc
利得と帯域幅の積が利得帯域幅積だ。
選ぶfc = GBW / ?
帯域幅はGBWを閉ループ利得で割った値だ。
空欄f = funity: A = ?
単位利得周波数で開ループ利得は1に落ちる。
自分でAcl fc = ?
利得を減らした分帯域が増え、積は一定だ。

最初の画面に戻ると

閉ループ利得を高く置いたとき、平らな線は早く開ループ利得の直線に出会い狭い帯域で折れた。利得を下げるとその折れる点が右へ滑り帯域が広がった。その間ずっと利得と帯域幅の積は少しも変わらなかった。開ループ利得が一定の傾きで落ちるからだ。その固定された積がGBW、すなわち利得が1に落ちる単位利得周波数だ。無限利得という理想は低い周波数でのみほぼ成り立ち、実際には利得と速さを引き換えねばならない。これが演算増幅器の最初の現実的限界だ。

実際の演算増幅器の開ループ利得は無限でも平坦でもない。低い周波数で非常に大きいが(A0)、ある周波数を超えると10倍ごとに-20 dB落ちる。フィードバックで閉ループ利得Aclを下げるとその分帯域幅fcが広がる。利得 × 帯域幅 = 一定で、その値が開ループ利得が1に落ちる単位利得周波数GBW = Acl·fc = funityだ。GBWは素子固有のスペックで、大きな利得を望めば狭い帯域を、広い帯域を望めば小さな利得を受け入れる。

次へつながる流れ

GBWは小さな信号がどれだけ速い周波数まで追えるかを定める限界だった。だが信号が大きいと別の壁が現れる。次のユニットでは出力が時間当たり変われる最大速度であるスルーレートと、出力が電源レールを超えられない電圧限界を見る。小信号の限界と大信号の限界は異なる顔だ。