コモンエミッタ増幅器: 小さな入力が大きな反転出力に
コレクタ抵抗を大きくして利得を作る
薄い曲線が小さな入力vin、太い曲線が出力voutだ。コレクタ抵抗Rcを大きくすると出力がだんだん大きくなる。そして出力は入力が上がると下がる、反転した形だ。
入力がベースを揺らすとコレクタ電流が揺れる
入力信号をコンデンサを通してベースに乗せると、動作点の上に小さなvbeが足される。C3で見たとおり、この小さな電圧は信号電流ic = gm vbeを作る。トランジスタが入力電圧の揺れをそのまま比例する電流の揺れに変えたのだ。まだ電圧ではなく電流であることに注意。
その電流がRcで電圧になり、反転する
この信号電流はコレクタ抵抗Rcを通る。オームの法則でRc両端の電圧がic Rcだけ揺れる。出力はコレクタから取り出すが、コレクタ電圧はVccからIc Rcを引いた値だ。だから信号電流が増えるとコレクタ電圧はむしろ下がる。入力が上がると出力が下がる、すなわち出力は入力の反転した複製だ。vout = -ic Rc。
電圧利得 Av = -gm Rc
ic = gm vbeをvout = -ic Rcに入れると電圧利得Av = vout/vin = -gm Rcが出る。gmはC2で選んだ動作点電流が決め、Rcは設計者が選ぶので、この二つで利得が決まる。負の符号は180度の反転を意味する。ただし利得を上げても出力が無限に大きくなるわけではない。出力スイングはC2の動作点の余地に縛られ、gm Rcが大きすぎると山が電源に当たって切れる。利得とスイングは引き換えだ。
最初の画面に戻ると
コレクタ抵抗を大きくするほど出力が大きくなり、入力が上がるたびに出力は下がって反転した形を描いた。その秘密は二段階だ。小さな入力電圧がまずトランジスタを通って信号電流gm vbeになり、その電流がコレクタ抵抗Rcを通ってic Rcの電圧になりコレクタ電圧を引き下げた。二つを掛けた-gm Rcが電圧利得だ。だが欲張りすぎると山が電源に当たって切れたので、利得は常にC2のスイング余地と手を取り合って決まる。小信号モデルがついに増幅という計算へ完成した。
次へつながる流れ
これで電圧利得を一つ手にした。だが増幅器は単独では存在しない。前には信号を与えるソースが、後ろには信号を受ける負荷が付く。次のユニットでは増幅器がソースと負荷にどう見えるか、すなわち入力インピーダンスと出力インピーダンスを見て、それらが実際の利得をどう削るか決めるかを見る。