BJTの動作原理: 小さなつまみが大きな流れを握る
ベース電流を上げてコレクタの流れを大きくする
左のエミッタがキャリアをベースへ注ぐ。ベースが薄いのでほぼすべて右のコレクタへ掃き込まれ、ごく一部だけがベース端子へ抜ける。ベース電流を上げると、コレクタの流れがその何倍にも太くなる。
薄いベースを挟む二つの接合
BJTはpn接合を二つ背中合わせに貼り合わせて作る。中央に薄いベースを置き、一方は濃くドープしたエミッタ、もう一方はコレクタだ。動作時はエミッタ側接合を順方向、コレクタ側接合を逆方向にバイアスする。ダイオードを二つ単につないだものと違う点は、まさにベースが非常に薄いことにある。
薄いベースが秘密だ
順方向のエミッタ接合はキャリアをベースへ膨大に注ぐ。ベースが薄く薄ドープなので、それらは横切る間にほとんど再結合しない。すると逆方向コレクタ接合の強い電場がほぼすべてをコレクタへ掃き込む。ベースで再結合してベース端子へ抜けるのは百に一つほどで、その小さな分がまさにベース電流だ。
電流制御、小さなつまみで大きな流れ
再結合の割合が一定なので、コレクタ電流は常にベース電流の同じ倍数だ。その倍数が電流利得βで、普通は百前後だ。ベース電流を少し上げれば、コレクタ電流はβ倍だけ追って上がる。小さなベース電流というつまみで大きなコレクタの流れを握ること、この電流制御が次のユニットで作る増幅の土台だ。
最初の画面に戻ると
ベース電流を上げるたびに、コレクタの流れがその何倍にも太くなった。太さを決めたのは薄いベースだった。エミッタが注いだキャリアが薄いベースを再結合せずに横切り、ほぼすべてコレクタへ掃き込まれたからだ。ベースへ抜ける一握りがベース電流、コレクタへ行く束がコレクタ電流で、二つの比がβだ。小さなつまみで大きな流れを握るこの電流制御が、トランジスタの本質だ。
次へつながる流れ
電流利得を手にした。だがこの利得を使うには、トランジスタをあらかじめオンの状態、つまり適度なベース・コレクタ電流が流れる一点に据えておく必要がある。次のユニットでは抵抗でその動作点を決めるDCバイアスを見る。信号を大きくする前に、大きくする場所をまず作るのだ。