アクティブフィルタ: 望む周波数だけ通す
周波数を掃いて通過と遮断を分ける線を探す
曲線は周波数ごとの通過量、すなわちフィルタの周波数応答だ。入力周波数を掃いて動作点を動かそう。カットオフの下では応答が平らで信号がそのまま通るが、カットオフを超えると応答が落ち信号がだんだん切られる。
コンデンサのインピーダンスは周波数に依る
抵抗は周波数によらず同じ値だが、コンデンサは違う。コンデンサのインピーダンスは周波数に反比例し、Zc = 1/(2πfC)だ。とても低い周波数、つまりゆっくり変わる信号にはインピーダンスが非常に大きく、ほぼ切れたように遮り、とても高い周波数にはインピーダンスが小さくなり、ほぼ繋がったように流す。こうしてコンデンサは周波数によって値が変わる抵抗のようにふるまい、まさにこの性質が周波数を選り分けるフィルタの核だ。
RCが切る周波数を定める、カットオフ
抵抗一つとコンデンサ一つを組むと1次フィルタになる。二つのインピーダンスが等しくなる周波数、すなわちカットオフ周波数fc = 1/(2πRC)で応答は平らな通過帯より-3 dB下がる。カットオフの下ではコンデンサのインピーダンスが大きく信号がほぼそのまま通り、カットオフの上ではインピーダンスがどんどん小さくなり信号を逃がし、応答が10倍周波数ごとに-20 dB落ちる。どの周波数で切るかはRとCの積が決める。
能動、演算増幅器が利得とバッファを足す
抵抗とコンデンサだけでもフィルタになるが、そうした受動フィルタは弱い。利得がなく信号を大きくできず、出力に抵抗が挟まっているので後段を付けるとその負荷がカットオフを乱す。同じRCを演算増幅器の周りに置くと能動フィルタになる。演算増幅器が通過帯に利得を与え(よく抵抗比-Rf/Rinで、カットオフとは別に決める)、低い出力インピーダンスで出力を確り押し後段が動かせないようにし、段をいくつも積んでより急な遮断も作れる。だから能動フィルタは信号から望む帯を綺麗に切り出す。
最初の画面に戻ると
入力周波数が低いとき応答は平らな通過帯にあり信号がそのまま出て、周波数を上げるとカットオフを過ぎ応答が落ち信号がだんだん切られた。その境を引いたのはコンデンサのインピーダンスが周波数に依る性質、そしてそれが抵抗と等しくなるカットオフfc = 1/(2πRC)だった。受動RCだけでも切れるが、演算増幅器を足すと通過帯に利得を載せ低い出力インピーダンスで後段の妨げを防ぎ綺麗に切る。これが能動フィルタだ。理想の無限利得から出発した演算増幅器が実際の限界を経て、ついに周波数を選り分ける役立ちへ完成した。
次へつながる流れ
ここまで信号を扱う素子と回路を見た。最後の束では舞台を変え、信号ではなく電力そのものを扱う電力電子へ行く。ダイオード整流(B)から一歩進み、スイッチングで電圧を効率よく変えるSMPSの基礎を見る。損失を減らすため素子をオン・オフするだけのそこで、トランジスタは増幅器ではなくスイッチになる。