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CR · 過渡現象

RLC二次応答と減衰

インダクタとキャパシタが一つの回路にあると、両者がエネルギーをやり取りして応答が揺れることがあります。その揺れをどれだけ抑えるかを、減衰比 ζ という一つの数で扱う方法を、このユニットで学びます。

減衰比一つが応答の形を決める

金色の曲線はステップ入力を加えたときの応答で、淡い緑の曲線は比較のために描いておいた臨界減衰の応答です。減衰比 ζ を変えると、応答は振動しながら行き過ぎたり、のろのろと這い上がったりしますが、その間にオーバーシュートなしで最も速く落ち着く一点があります。金色の曲線が緑の曲線と重なる、その臨界点 ζ = 1 を探してください。

減衰比 ζζ = 0.30
応答の領域
不足減衰 · 振動
臨界から遠い

二つの素子がエネルギーをやり取りする

インダクタは電流に、キャパシタは電圧にエネルギーを蓄えます。両者が一つの回路にあると、一方が空になるときもう一方が満ち、エネルギーが行き来します。抵抗がなければ永遠に揺れ続けますが、抵抗がその揺れから少しずつエネルギーを抜き取って鎮めます。1 次回路の RC が目標に単調に近づいたのに対し、2 次回路の RLC は目標を越えて行き過ぎ、また戻ってくることがあります。

減衰比が三つに分ける

抵抗が弱いと(ζ<1)エネルギーが何度も行き来して応答が振動し、目標を越えて行き過ぎるオーバーシュートが生じます。抵抗が強いと(ζ>1)揺れはまったく起きませんが、応答はのろのろと這い上がります。その二つの間のちょうど一点、ζ=1 で応答はオーバーシュートなしに最も速く落ち着き、これを臨界減衰といいます。

ζは抵抗・インダクタ・コンデンサで決まる

直列 RLC では、減衰比は ζ = (R/2)√(C/L) です。抵抗を大きくすると ζ が大きくなって振動が抑えられ、インダクタンスを大きくすると ζ が小さくなってより揺れやすくなります。揺れそのものの速さは固有角周波数 ω_n = 1/√(LC) が決め、実際の振動の角周波数 ω_d = ω_n√(1−ζ²) は減衰が強いほど遅くなります。図の横軸は ω_n を 1 とした時間なので、R、L、C がどんな組み合わせでも ζ が同じなら同じ曲線になります。

観察ζ = (R2)√(CL)
抵抗が大きいほど、減衰比は大きくなります。
選ぶωn = ?
固有角周波数は L と C で決まります。
空欄ωd = ωn ?
減衰が強いほど、振動は遅くなります。
自分でζ = ?
オーバーシュートなしで最速の応答 = 臨界減衰。

最初の画面に戻ると

ζ が小さいとき、応答は目標を越えて行き過ぎ、何度も揺れました。ζ を大きくすると揺れはしだいに収まり、ζ=1 でオーバーシュートなしに最も速く落ち着いて、緑の基準曲線と重なりました。それ以上大きくした過減衰では、振動がない代わりに応答が鈍くなりました。抵抗・インダクタ・キャパシタの値が何であれ、その組み合わせが作る減衰比 ζ 一つが、応答の形をすべて握っていたわけです。

減衰比 ζ = (R/2)√(C/L) は、直列 RLC のステップ応答の形を決める一つの数です。ζ<1 は不足減衰で振動とオーバーシュートが生じ、ζ=1 は臨界減衰でオーバーシュートなしに最も速く整定し、ζ>1 は過減衰で振動なしにゆっくり近づきます。固有角周波数は ωn = 1/√(LC)、減衰振動の角周波数は ωd = ωn√(1−ζ²) です。