オペアンプ微分器
斜めの入力が平らな出力を生む
水色の斜めの線は一定の傾きで上がる入力ランプ、金色の横線が出力です。入力は斜めに上がっていくのに出力は平らで、その高さは入力がどれだけ速く上がるかだけで決まります。入力を急にするほど出力は下へ下がるので、出力が緑の点線の目標 −4V に乗るように傾きを合わせてください。
入力をコンデンサで受ける
積分器は入力抵抗で電流 Vin/R をつくり、帰還コンデンサに流し込みました。微分器は二つの部品の位置を入れ替え、入力にコンデンサを、帰還に抵抗を置きます。コンデンサは両端電圧が変わるときだけ電流を流し、その電流は入力の変化率に比例する i = C·dVin/dt です。仮想接地のおかげでこの電流はすべて帰還抵抗へ流れ、出力を決めます。
出力は入力の変化率に比例する
帰還抵抗を流れる電流が C·dVin/dt なので、出力はその電流に R を掛けた値、つまり Vout = −RC·dVin/dt です。一定の入力は変化率が 0 なので出力も 0 で、入力が速く変わるほど出力は大きくなります。傾きが一定のランプを入れると変化率がずっと同じなので、出力はその傾きに −RC を掛けた高さで平らにとどまります。符号が負なのは反転増幅器から受け継いだ性質で、上がる入力に対して出力は横軸の下に来ます。
微分は傾きを読むこと
入力がどのように変わる一般の場合でも、出力は入力を時間で微分した値 Vout = −RC·dVin/dt です。微分とは各瞬間の入力曲線の傾きを読み取ることなので、三角波を入れると、上がるときと下がるときで符号が反転する矩形波が出てきます。s 領域では入力コンデンサのインピーダンス 1/sC が微分を表す s を生み、利得は −sRC になります。積分器は抵抗とコンデンサを入れ替えた鏡像です。利得が周波数に比例して大きくなるため、実際の回路では高い周波数の雑音まで大きく増幅してしまいます。そこで入力コンデンサに小さな抵抗を直列に入れ、高い周波数での利得を抑えます。
最初の画面に戻ると
入力ランプを急にするほど金色の出力線は下へ下がり、目標 −4V に乗ったのは入力の傾きが +4 のときでした(RC = 1)。斜めの入力が平らな出力になったのは、コンデンサが入力の変化率に比例する電流を流し、ランプの傾きが最初から最後まで同じだったからです。入力の下に塗った三角形が大きくなっても、出力の高さはその面積ではなく斜辺の傾きだけに従いました。ここが積分器と分かれるところです。積み上げていた積分器が部品二つの入れ替えで微分器になり、傾きを読む仕事を回路が引き受けました。