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CR · フィルタ

ノッチフィルタと帯域阻止

バンドパスは一つの帯域だけを通しました。そのちょうど逆、つまり一つの周波数だけを選んで捨て、残りを通すフィルタがノッチです。同じ直列 RLC で出力を取り出す場所を変えるだけでよく、このユニットでは、共振で直列 LC が短絡になって出力を 0 に落とす原理を学びます。

共振で出力が0までくぼむ

直列 RLC に周波数を掃引していくと、曲線上の点がその周波数の出力の大きさに沿って動きます。今回は出力を直列につないだ L と C の両端からまとめて取り出し、LC のまとまりのインピーダンスは j(ωL − 1/ωC) で、二つのリアクタンスの差です。共振 ω_0 = 1/√(LC) でその差が 0 になってまとまりが短絡のようにふるまうので、その両端の出力は 0 まで深くくぼみます。点線が立っているノッチ周波数、つまり出力が最も深く落ちる位置に点を合わせてください。

周波数 ω/ω_0ω/ω_0 = 0.32
出力 |H|(共振で最小)
|H| = 1.00
ノッチから遠い

出力をどこで取るかがフィルタを定める

同じ直列 RLC でも、出力をどの素子の両端から取り出すかでフィルタの種類が変わります。抵抗の両端から取り出せば共振で最も大きく通すバンドパスで、コンデンサの両端ならローパス、インダクタの両端ならハイパスになります。今回は直列につないだ L と C を一つのまとまりと見て、その両端から取り出します。LC のまとまりのインピーダンスは、インダクタの +jωL とコンデンサの −j/ωC を足した j(ωL − 1/ωC) で、周波数によって大きく変わります。

共振でLCは短絡だ

共振 ω_0 = 1/√(LC) では ωL = 1/ωC となり、LC のまとまりのインピーダンスがちょうど 0 になります。直列 LC が短絡のようにふるまうのです。出力をその短絡の両端から取り出すので、そこには電圧がかからず、出力は共振で 0 まで深くくぼみます。この深い谷がノッチです。共振から離れると二つのリアクタンスの差が大きくなってまとまりのインピーダンスが大きくなり、電圧のほとんどがまとまりにかかって出力は入力に近づきます。そのためノッチフィルタは共振の一つの周波数だけを選んで捨て、上下の残りはほぼそのまま通します。

バンドパスとの相補、そして4つの基本フィルタ

ノッチはバンドパスとちょうど相補の関係にあります。同じ回路で抵抗の両端の出力(バンドパス)と LC の両端の出力(ノッチ)を足すといつも入力電圧になり、二つの利得の大きさを二乗して足すとどの周波数でも 1 です。バンドパスが通すその狭い帯域をノッチはちょうど捨てるので、50Hz や 60Hz の電源ハムや、特定の妨害周波数一つをきれいに消すときにノッチを使います。これで低いほうを通すローパス、高いほうのハイパス、真ん中の帯域のバンドパス、真ん中の一点を捨てる帯域阻止まで、四つの基本フィルタがすべてそろいます。通す場所と止める場所を選ぶことは、結局、出力をどの素子から取り出すかを選ぶことでした。

観察ZLC = j(ωL − 1/ωC)
LCインピーダンスは二つのリアクタンスの差。
選ぶω = ω0 → ZLC = ?
共振でLCは短絡(Z=0)。
空欄H = ZLC(R+ZLC), ω=ω0 → H = ?
共振で出力 0、ノッチ。
自分でHbp² + Hnotch² = ?
バンドパスと相補、二乗和は1。

最初の画面に戻ると

周波数を動かすと出力の曲線が共振で 0 まで深くくぼみ、その谷は点線が立つ ω/ω_0 = 1 のところでした。そこでは ωL と 1/ωC が等しくなって直列 LC が短絡になり、短絡の両端の出力が消えました。共振から離れるとまとまりのインピーダンスが大きくなり、出力は入力のほうへ戻りました。一つの周波数だけを選んで捨てるこのノッチは、抵抗の両端の出力であるバンドパスとちょうど相補の関係にあり、ローパス・ハイパス・バンドパスとあわせて、出力を取り出す場所を選ぶだけで四つの基本フィルタがすべて完成します。

ノッチフィルタ(帯域阻止)は、直列 RLC で出力を直列の L·C の両端から取り出したものです。共振 ω0 = 1/√(LC) で ωL = 1/ωC となり、LC のまとまりのインピーダンスが 0(短絡) になるので、出力はその一つの周波数で 0 までくぼみます。共振から離れると LC のインピーダンスが大きくなって出力は入力へ戻るので、一つの周波数だけを捨てて残りを通します。抵抗の両端の出力であるバンドパスと相補(Hbp² + Hnotch² = 1)で、ローパス・ハイパス・バンドパスとあわせて四つの基本フィルタをなします。