最大電力伝送
小さすぎても大きすぎても損
グラフの金色の曲線は負荷抵抗に応じて負荷が受け取る電力で、曲線上の点がいまの負荷です。負荷抵抗が 0 なら負荷に電圧がかからず、限りなく大きければ電流が流れないので、どちらでも電力は 0 です。その間で電力が最も大きくなる一点、R_L = R_th を探してください。
電圧と電流を同時に持てない
電力は、負荷にかかる電圧とそこを流れる電流の積です。負荷抵抗が小さいと電流は大きいものの電圧がほとんどかからず、負荷抵抗が大きいと電圧は高いものの電流がほとんど流れません。両者はトレードオフの関係にあるので、どちらかに偏ると積は小さくなり、電力は両者がつり合うときに最大になります。
釣り合いは R_L = R_th で来る
電力の式 P = (V_th/(R_th+R_L))²·R_L を R_L で微分して 0 とおくと、ちょうど R_L = R_th で最大になります。負荷抵抗を電源の内部抵抗と等しくそろえるこの条件を整合といいます。このとき電圧は二つにちょうど半分ずつ分かれて負荷に V_th/2 がかかり、最大電力は P_max = V_th²/(4R_th) です。図の電源は 12 V と 6 Ω なので、R_L が 6 Ω のとき 6 W で最大になります。
最大電力は最大効率ではない
整合では負荷抵抗と内部抵抗が等しいので、全体の電力は両者に等しく分かれます。負荷が受け取るのと同じだけの電力が内部抵抗でも熱として捨てられ、効率はちょうど 50% です。電力をできるだけ多く取り出したいときは整合が答えですが、送電のように効率が大切な場面では、わざと負荷抵抗を大きくして損失を減らします。最大電力と最大効率は別の目標です。
最初の画面に戻ると
負荷抵抗を変えると、負荷電力は 0 から出発して山に登り、また下りてきました。その山はちょうど R_L = R_th、つまり負荷が内部抵抗と等しくなる点線の位置にありました。そこで電圧は半分ずつに分かれ、効率は 50% でした。テブナンの等価回路で回路を電源一つと抵抗一つにたたんでおけば、そこに何をつなげば最も多くの電力を受け取れるかが、こうして一目でわかります。