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CR · 交流定常状態

インピーダンス: 抵抗とリアクタンス

交流では、インダクタやキャパシタも電流を妨げますが、抵抗とは違うやり方で妨げます。その妨げを抵抗とまとめて、一つの複素インピーダンスとして扱う方法を、このユニットで学びます。

抵抗とリアクタンスが直角に足される

図の三角形で、横の辺は固定された抵抗、縦の辺はリアクタンスで、斜辺に引いた矢印がインピーダンスです。リアクタンスを大きくすると矢印は横軸から上へ立ち上がります。リアクタンスが抵抗と等しくなり、矢印がちょうど 45 度を指す位置を探してください。

誘導リアクタンス X = ωLX = 4 Ω
インピーダンスの大きさと位相
|Z| = 10.8 Ω · θ = 22°
|Z| = √(R² + X²) = √(100 + 16)
45度から遠い

リアクタンスは90度横から妨げる

抵抗は電圧と電流をそろえたまま、エネルギーを熱として捨てます。インダクタは事情が違い、電流が変わろうとするたびにそれに逆らい、その結果、電圧が電流より 90 度進みます。そのためインダクタの妨げであるリアクタンスは、抵抗と同じ向きではなく、複素平面で抵抗と直角に立ちます。

直角だからピタゴラスで合わせる

抵抗 R は横軸、リアクタンス X は縦軸に置かれます。両者は直角なので、合わせたインピーダンスの大きさは単純な足し算ではなく斜辺の長さ、つまり |Z| = √(R²+X²) になります。電流をどれだけ妨げるかを表す大きさと、電圧をどれだけ進ませるかを表す位相が、この三角形一つにまとめて収まります。

位相は二辺の比が決める

インピーダンスの三角形では、位相角は縦の辺を横の辺で割った比で決まり、θ = arctan(X/R) です。リアクタンスが小さければほとんど抵抗だけなので位相は 0 に近く、リアクタンスが抵抗と等しくなれば二つの辺の長さが同じなので位相はちょうど 45 度になります。図の抵抗は 10 Ω なので、リアクタンスも 10 Ω のとき 45 度になります。キャパシタならリアクタンスは下を向き、位相は負になって、電流が電圧より進みます。

観察Z = R + jX
実部は抵抗、虚部はリアクタンスです。
選ぶ|Z| = ?
二つの成分は直角なので、斜辺として合わせます。
空欄θ = arctan(?)
縦の辺を横の辺で割った比のアークタンジェントです。
自分でX = R → θ = ?
二つの辺が等しければ 45 度です。

最初の画面に戻ると

リアクタンスを大きくすると、インピーダンスの矢印は横軸から上へ立ち上がり、リアクタンスが抵抗と等しくなった瞬間にちょうど 45 度に達しました。矢印の長さがインピーダンスの大きさ |Z|、傾きが電圧が電流より進む位相 θ でした。一つの複素数に、妨げの大きさと位相がまとめて収まったわけです。

インピーダンス Z = R + jX は、正弦波定常状態で素子が電流を妨げる度合いを複素数で書いたものです。実部の抵抗 R は電圧と電流をそろえ、虚部のリアクタンス X(インダクタは ωL、キャパシタは −1/ωC)は両者を 90 度ずらします。大きさ |Z| = √(R²+X²) は電流をどれだけ妨げるかを、位相 θ = arctan(X/R) は電圧が電流よりどれだけ進むかを表します。