理想オペアンプと仮想短絡
抵抗比一つで利得を設計する
図は非反転増幅器で、入力は + 端子に入り、出力は二つの抵抗を通って − 端子へ戻ります。帰還抵抗比 Rf/Rg を変えると、出力側の金色の矢印の長さ、つまり利得が (1 + Rf/Rg) 倍に伸びます。矢印の先が点線の印に届くように、出力が入力のちょうど 3 倍になる抵抗比を探してください。
二つの規則: 仮想短絡と入力電流0
理想 op-amp は、二つの入力の間のごく小さな電圧差を、無限大に近い倍率で増幅します。出力が帰還を通って反転入力へ戻ると、op-amp はその差を 0 に縮める方向へ出力を調整し、その結果、二つの入力電圧が等しくなります。これが仮想短絡です。また入力抵抗が無限大なので、入力端子には電流がまったく流れません。
二つの規則が利得を抵抗比にする
非反転増幅器では入力は + 端子に入り、出力は Rf と Rg で分けた電圧を反転入力へ返します。仮想短絡なので反転入力の電圧は入力電圧に等しく、入力電流が 0 なので Rg を流れた電流はそのまま Rf にも流れます。二つの条件を解くと、出力は入力の 1 + Rf/Rg 倍になります。op-amp の大きな利得は式から消え、外付け抵抗の比だけが残るのです。
だから回路は安定で予測可能だ
op-amp 一つひとつの利得はばらばらで、温度によっても変わりますが、帰還をかけて作った増幅器の利得は二つの抵抗の比で決まります。そのため精密な抵抗を選べば精密な利得が得られます。仮想短絡は、反転増幅器、加算器、積分器のように数多くの回路を解く最初の鍵で、回路ごとに変わるのは入力をどこに入れ、帰還をどうかけるかだけです。
最初の画面に戻ると
帰還比を変えると金色の矢印が伸びて、出力は入力の (1 + Rf/Rg) 倍に育ち、Rf/Rg = 2 でちょうど 3 倍になって点線に届きました。op-amp そのもののとてつもない利得は、式のどこにも残りませんでした。負帰還が二つの入力を等しく結び、入力電流を 0 にしてくれたおかげで、利得はただ二つの抵抗の比だけで決まっていたのです。