遮断と一次ハイパス
高い周波数は通り、低い周波数は遮られる
グラフの横軸は対数目盛の周波数、縦軸は出力と入力の大きさの比であるゲインです。周波数を低い方から高い方へ上げると、はじめはほとんど止められていて、しだいに通るようになります。ゲインが 1/√2、つまり −3dB まで上がる遮断周波数を探してください。縦軸の下側の目盛が、ちょうどその高さです。
今度は抵抗から出力を取る
低域通過はキャパシタの両端から出力を取り出しましたが、高域通過は同じ直列 RC で抵抗の両端を見ます。キャパシタのインピーダンス 1/ωC は低い周波数ではとても大きく、電圧のほとんどを受け持つので、抵抗には電圧がほとんどかかりません。そのため低い周波数は止められます。周波数が高くなるとキャパシタの取り分が減って抵抗が電圧を受け取り、高い周波数が通ります。
遮断周波数 ω_c = 1/RC
低域通過と同じく、抵抗の大きさとキャパシタのインピーダンスの大きさが等しくなる周波数が境界です。そこが ω_c = 1/RC で、出力は入力の 1/√2 ≈ 0.707 倍、つまり −3dB になります。ただし位相の符号は逆で、高域通過では出力が入力より 45 度進み、遮断より下へ行くほど位相は +90 度に近づきます。
遮断より下は一定の傾きで上がる
遮断周波数より上では、ゲインはほぼ 1 で平らです。遮断より下では、周波数が十分の一になるたびにゲインが 1/10、つまり −20dB ずつ下がります。この図は縦軸をゲインそのもので描いていますが、dB で描いたボード線図では、遮断より上の平らな直線と、その下で −20dB/decade(上へたどれば +20dB/decade)で傾く直線とが出会う角が遮断周波数です。高域通過は直流成分を止めて信号の変化分だけを通したいときに使われ、微分器や結合キャパシタがその例です。
最初の画面に戻ると
周波数を上げると、ゲインはほぼ 0 から出発して遮断周波数のあたりで折れ曲がって上がり、ちょうど ω_c = 1/RC で出力は入力の 0.707 倍、−3dB になりました。それより上では平らに 1 へ近づきました。低域通過とまったく同じ部品なのに、出力を抵抗から取り出したという違い一つが、通す周波数を正反対にひっくり返したのです。